ゴルフだけでなく、仕事も人生も常に心の準備をしておけということです。
伝説のアマチュアゴルファー中部銀次郎の「言の葉」 vol.4
伝説のアマチュアゴルファー中部銀次郎の「言の葉」。「プロより強いアマチュア」と呼ばれた中部銀次郎氏が遺した言葉は、未だに多くのゴルファーのバイブルとなっている。その言葉1つ1つを、皆さんにもお届けしていく。
GOLF TODAY本誌 No.604/68〜69ページより
イラスト/北村公司
「父も兄二人も日本アマに出場していましたし、長兄の一次郎は前年の日本アマに優勝していました。ですから、自分も日本アマに出場してみたいという気持ちはとても強かった。浪人の身とは言え、チャンスは逃したくなかったのです」
このときの日本アマは初日の予選を36ホール回り、スコアの上位16名だけが本選に出場できるというものだった。予選トップのものはメダルがもらえ、メダリストとして讃えられる。中部さんは最年少出場だったが、見事にメダルを獲得した。東山コースは井上誠一が設計した屈指の名門であり至難のコースだったが、中部さんは前半の18ホールをパープレー、後半は1オーバー、トータル1オーバーという素晴らしい成績だった。
本選の決勝はマッチプレーによるトーナメント、つまり勝ち抜き戦。中部さんは1回戦で圧勝、2回戦は競り勝ち、準決勝に進出した。ここからは1日36ホールのマッチプレーとなる。相手は飛ばし屋のベテラン、岡藤武夫。大雨の中の死闘だったが、前半は中部さんが1アップ。しかし、後半に逆転され、17番でショートパットを外して敗れ去った。