あなたはテーラーメイド好き? 知っておきたい、グローレの誕生秘話
【第23回】商品開発はドラマ!GLOIRE(グローレ)日本のオリジナルブランドとして誕生したプレミアム・モデル
ゴルフメーカーの商品開発におけるドラマチックな業界裏話をメーカー勤務経験のフリーライター・嶋崎平人が語る連載企画。今回は テーラーメイドゴルフ GLOIRE(グローレ)ブランドが主役のストーリー。
GOLF TODAY本誌 No.606/70〜71ページより
写真/ゴルフトゥデイ編集部 取材・文/嶋崎平人
開発で苦労したのは、日本人がこだわる音である。テーラーメイドの打音は「バッシュ」という低く抑えた音で、それが米国では高評価であったが、日本人が好む音は「カキーン」である。飛んでいる音、飛んでいる気がする音が好まれる。
もう一つ日米の大きな違いは、弾道である。米国では、右に行くつかまらないクラブが良いとの評価だが、日本では逆に左に行くくらいのつかまりの良いクラブが好まれる。日米の真逆の評価について米国開発陣との間で議論を重ね、日本のマーケットを理解してもらうのに時間を要した。
2012年に満を持して発売した初代「GLOIRE」は販売当初動きが悪かった。白いヘッドが目立ち、テーラーメイド=難しいとのイメージが先行して、使うのに躊躇するとの声があがった。
しかし、アマチュア向けと想定していた「GLOIRE」を女子プロが使用し、活躍し、逆に白いヘッドが目立つことでプロモーションとなり、ヒット商品となった。10年目の最新モデル「STEATHGLOIRE」にも日本人のためのクラブという思想は引き継がれている。