我慢比べを制したのは、常に冷静だった21歳の山下美夢有!ツアー最年少で年間賞金女王戴冠
伊藤園レディスを制し、21歳103日というツアー最年少で年間賞金女王に!
伊藤園レディスを制した山下美夢有
上田桃子、山下美夢有、岸部桃子の最終組の3人が優勝争いを繰り広げた伊藤園レディスの最終日。強風が吹き荒れる難しいコンディションの中、我慢比べの様相を呈したが、最後まで乱れなかったのは、3人の中で最も若い山下美夢有だった。
写真/相田克己
2007年の賞金女王で、ツアー17勝(海外を含む)を誇る36歳の上田桃子。今季3勝でメルセデス・ランキングでもトップを走る20歳の山下美夢有。2012年プロ入りの84期生ながら、ステップ・アップ・ツアーでの優勝(2回)しかない28歳の岸部桃子。
最終日、全く異なるキャラの3人がしのぎを削った最終組の戦いは、18番ホールまでもつれた。
スタート時点では、上田13アンダー、山下11アンダー、岸部10アンダーで上田が一歩リード。しかし、2日目に8アンダーという自己ベストタイの64をマークした上田も、この日はショット、パットとも安定せずなかなかスコアを伸ばせない。
じりじりした展開の中、岸部が5番パー5と7番パー3でバーディを奪い2位に浮上した。
次にスコアが動いたのが12番パー3。上田、岸部がともにボギーを叩き、このホールが終わった時点で上田12アンダー、山下、岸部が11アンダーと、その戦いはますます我慢比べの様相を呈してきた。
そして迎えた15番パー5。ティショットで最も距離を稼ぎ、セカンドショットも3人の中では一番グリーンに近づけた上田がサードショットを寄せきれず、パットもカップの縁で止まるという不運もあってパー。バーディを奪った山下と岸部に並ばれた。
「あとひと転がり…」に気落ちしたわけではないだろうが、上田は16番で右の林に入れてこのホールをダボとしてしまい、一歩後退した。
続く17番はピンまで204ヤードの長いパー3。山下は、無難に右サイドにオンしたが、5Wを手にした岸部はボールが風に乗ってしまいグリーン奥のラフへ。大事なパーパットも外してしまい、残り1ホールでこの日初めて山下が単独トップに立った。
3人の中で最も忍耐強かったのは、最年少の山下だったということだろう。