ゴルフボールの値段と飛距離って関係あるの?秘密の真相!
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第44回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
「ゴルフボールって、高いものほど、飛ぶんですか?」
時々、質問されます。答えは簡単なのですが、ついついお節介でボールの話を長々としてしまいます。
ゴルフボールは、全てのストロークで使う唯一のゴルフ用具です。飛距離も必要、乗せるのにも必要、寄せるのにも、入れるのにも必要なのです。14本のクラブがそれぞれの役割に特化しているのと比べると、その全てのクラブと一緒に仕事をするゴルフボールは、万能であることを求められています。
そんなに重要なのに、ゴルフボールほど軽く見られているゴルフ用具もありません。ゴルフボールにこだわっているのは、ツアープロと、ごく一部のアマチュアゴルファーだけなのです。
改めて観察してみると、ゴルフボールの種類は凄い数があります。小さなショップでも10種類ぐらいはラインナップされていますし、大きなショップなら40種類を超えるボールを取り扱っていたりもします。
価格もまさにピンキリで一番安いものを“1”としたとしたら、高額なものは“6”にもなる。つまり、最安値のものに比べると、高級なボールは6倍の価格なのです。
これが問題を複雑にしているのです。
最安値のボールと高級なボールは、6倍の価値があるのか?当たり前ですが、飛距離で比較して違いはあったとしても、6倍どころか、2倍の差にもならないのです。