レジェンドから絶大な信頼を得た元FBI捜査官は今のPGAツアーをどう考えるのか
佐渡充高のプレミアム・ファイル
ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 No.608/115ページより
LIVゴルフ出現で揺れた1年、ツアー運営のプロフェッショナル、ジャック・タトヒル(05年81歳で逝去)はどう考えるだろうか?と思い続けた。
出会いは1980年太平洋クラブ御殿場コース。大学生だった僕は試合出場のT・ワトソンのキャディとして開幕数日前から現地にいたところ「要人がコースの下見をするのでサポートしてくれ」と言われ、現れたのがタトヒルだった。
朗らかな人柄、ハスキーボイスで少し早口、プロ級の腕前で楽しいラウンドだった。数年後にPGAツアーの取材を開始しフロリダ州の本部で再会した時、ツアーの重鎮だと知った。ルーキーの僕を歓迎し優しく丁寧に接してくれ、今も感謝の思いで一杯だ。
競技委員長M・シェイやM・ラッセルら各分野の責任者らを次々に紹介してくれるなど、ツアーを深く知る機会に恵まれ生涯の恩人、恩師となった。
当時の本部は華やかな試合から抱いていたイメージとは対極で、戸惑うほど簡素で小さな平屋建て。そこにゴルフ愛を絆にタトヒルらあらゆる分野出身の専門家が集結し、選手と一体となり猛烈に仕事に打ち込んでいた。