ゴルフは予期しないことは起きることもの。ジャック・ニクラスのゴルフから学んだこと

伝説のアマチュアゴルファー中部銀次郎の「言の葉」vol.10

2023/03/26 ゴルフサプリ編集部



連載、伝説のアマチュアゴルファー中部銀次郎の「言の葉」。
「プロより強いアマチュア」と呼ばれた中部銀次郎氏が遺した言葉は、未だに多くのゴルファーのバイブルとなっている。その言葉1つ1つを、皆さんにもお届けしていく。

GOLF TODAY本誌 No.610/76〜77ページより
本誌イラスト/北村公司

下関西高校を卒業した中部さんは慶應大学への進学を思い直して浪人した。ゴルフへの情熱は冷めることなく、日本アマに初出場して予選トップのメダリストとなった。元の受験生活に戻った頃、日本ゴルフ協会から日本代表として世界アマチュア選手権への出場を要請される。来年の受験までに十分な日数があった。中部さんは快諾した。

1960年のことである。この年の世界アマはアメリカの超名門、ペンシルベニア州のメリオンGCで開催された。開場は1896年、スコティッシュスタイルの雄壮なゴルフコースである。

ボビー・ジョーンズが初めて全米オープンに挑戦した14歳の時の舞台はこのコースであったし、1924年に全米アマに初優勝を遂げたときも、1930年に全米アマを獲ってグランドスラムを達成したときも、メリオンGCだった。

広大な大地にゆったりと作られたメリオンGCをジャック・ニクラスは「大地の中の大地」と讃えている。開場以来メジャー大会を数多く催し、今尚全米のベスト10に入る屈指のゴルフコースだ。