素材によって難しいクラブの調整

T島 あれフィッター金子は?

市川 今、フィッティング中ですよ。どうしたんですか?

T島 5番と6番アイアンをやっぱり入れることにしたので、フェースの見え方調整してもらおうと思って。

市川 やりましょうか?

T島 そうか、市川代表はフィッターでもあったんだ。忘れてた。おねがいします。

市川 忘れないでくださいよ。私、ちゃんと〇〇プロのアイアンも調整していますから。

T島 知ってる知ってる。ということで、今回はあまりオススメしないクラブ調整のお話です。

市川 そうきますか!!では早速。困ったのが、ステンレス鋳造のアイアンのネック調整です。

T島 ああ、困るね…。

市川 当店でご購入のお客様ではなかったのですけど、「曲がらない?」と言われて。

T島 物理的に曲がらないものね…。

市川 結構折れることがありますから。

T島 私も折ったことあります。

市川 ステンレスといっても、いろんな素材があります。で、もし曲がったとしても軟鉄鍛造のヘッドのようには調整できませんからね。

T島 ピンさんのヘッドは、固定して叩いて曲げるんです。今年のゴルフフェアでライ角変更の実演をしていました。

市川 ライ角にこだわっているメーカーですからね。ライ角大切です!

T島 確かピンさん、修理対応でライ角調整してくれるはずです。

市川 さすがです。でも工房さんとかでは、難しいと思います。“折れてもいいから”とよくいわれるんですけど、折っちゃったらねぇ…。

T島 ねぇ…。

シャフトの調整も危険がある!?

市川 当店はフィッティングスタジオとして営業していますから、最近はあまり持ち込まれませんが、以前、東京・町田で営業していた頃は、工房として様々な調整を依頼されましたよ。

T島 そうだね、私も無茶言ってました。でもやってくれなくて、「自分でやってください。当店で責任持てません」とか言われた記憶が。

市川 シャフト伸ばしたりしてましたね。シャフト延長キットなるものが発売されていますけど、強度的にドライバーとかにはあまりオススメしません。

T島 シャフトは一度短くしちゃうとそれまで!だと思ったほうがいいですよね。

市川 フェアウェイウッドに入れてあったシャフトを持ってこられて、「1Wに入れたいから長くして!」とかですね。

T島 確かにグリップ側は伸ばせるんですけど、グリップ側ってすごく負荷がかかるので、本当に手間かけてちゃんと伸ばさないと危険です。

市川 そうですね、昔からの工房さんは、使わないシャフトをうまく継いで、段差もなくして延長するお店もありますが。大蔵ゴルフスタジオではやりません。

T島 フェアウェイウッドに入れてあるシャフトって、そもそも先端をカットしてあることがほとんどなので、後ろ伸ばして1Wに入れても同じ硬さになりません。重さも変わるし。

市川 T島さんは、いつも長めに組みます。

T島 はい。短く握ればいいんです。

調整する際のリスク面とは

市川 あとは、ウェッジのソールを落として(削って)という改造ですね。基本的にやりませんが。

T島 工房さんによって削るクオリティが全然違うんです。市川氏は言いにくいだろうから代わりに私が言いますけど、アマチュアゴルファーの「バンスが大きくて邪魔なんだよね」という判断はそもそも合ってるのか?という問題があります。クラブと自分のスイングを本当に理解している人ならまだしも…。

市川 弊社でクラブの面倒をみているツアープロならやりますけど…。

T島 メーカーさんがすごくよく考えて作ったソールなので、少し削ると何かがやっぱり失われてしまいます。それが有効だったらいいけどね。

市川 結構微妙なんですよね。

T島 私も20年前は、「プロのウェッジ、ソールを削ってるのかっこいいから削って欲しい!」と工房に聞いたことがあります。

市川 さすがミーハーです。

T島 マスダゴルフさんとか、本社工場でスイングを見ながら削ってくれるらしいです。やってみたいなぁ…

市川 ウェッジ何本作る気ですか…。

T島 スイマセン。そもそもソールを削る必要があるのか?削ったら全て良くなる、という考えはやめましょう。自分に合ったウェッジに買い換えるほうがいいかと。

市川 そうですね、例えばシャフトを変えるだけで、ヘッドの入りも変わることがありますから。

T島 こういう改造をすると中古ショップの査定に影響しますよ!

市川 確かに!最近結構細かく査定されるという話を聞きます。

T島 でもシャフトのグリップ側を延長してあるのは、わかりにくいんだよね。

市川 そうですね、グリップの中を伸ばしていると見えませんからね。

T島 以前も書きましたが、中古シャフトにもリスクがあるんです。

市川 もちろんメリットはあるんですが、リスクを考えるとオススメできないというのが理由ですね。クラブとしての価値も下がりますから。

T島 まあでも、一時の気の迷いということも少なくないですし。

市川 それは反省しているということですか!

T島 そうです。過去の私の反省でございます。

市川 最初からフィッティングして、しっかり作れば改造の必要もありません。最終的にはコストパフォーマンスが良くなると思いますよ。

T島 はい。そう思います。

文・T島

T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。

大蔵ゴルフスタジオ

上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。

取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎週月曜日
TEL:03-6413-9272
https://www.ogs-p.jp/


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