なんでこんな形なの?と酷評されたキャスコ「パワートルネード」が爆発的ヒット!ネーミングの由来はあの野球選手!?
【第29回】商品開発はドラマ!ゴルフ界に旋風を巻き起こし新スタンダードを築いたUTの代名詞!
ゴルフメーカーの商品開発におけるドラマチックな業界裏話を、メーカー勤務経験のフリーライター・嶋崎平人が語る連載企画。今回はPOWER TORNADO(キャスコ)が主役のストーリー。
GOLF TODAY本誌 No.612/70〜71ページより
写真/ゴルフトゥデイ編集部 取材・文/嶋崎平人
性能に満足できる試作品が完成し、最初に当時の社長に見せた時のこと。今までにない形状に「こんなもの売れるわけがないだろう」と酷評されたというが、しかし実際に打つと、やさしく球が上がり、プロのトーナメントに持っていくとすぐに使いたいとの声が上がった。
次第に社内でも「これは売れるのではないか」と風向きが変わると、契約外のプロも使用するようになり、評価が高まった。とはいえ、実は「プロ用のシャフトはまだ開発していなかったので、チップカットして対応した」というから、その人気の急加速ぶりがよくわかる。
発売は1999年10月で、価格は1本4万8000円。スペックに関してはロフト16度で41.5インチ、19度は41インチ、22度は40.5インチ、フレックスはRとSをラインナップした。
番手は従来であれば、#3、#4、#5となるところだったが、例えば#3FWと#3Iの中間のクラブという意味を込めて#33とダブルナンバーを採用した。キャディさんがクラブをわかりやすいようにとの配慮もあったのだそう。