キャスコが生み出した世界初のソリッド4ピースボール「ROCKETS」がド級のロケットスタートを切った背景
【第31回】商品開発はドラマ!多層コアの先駆け!キャスコが生み出した世界初のソリッド4ピース
ゴルフメーカーの商品開発におけるドラマチックな業界裏話を、メーカー勤務経験のフリーライター・嶋崎平人が語る連載企画。今回はROCKETS(ロケッツ)(キャスコ)が主役のストーリー。
GOLF TODAY本誌 No.614/70〜71ページより
写真/ゴルフトゥデイ編集部 取材・文/嶋崎平人
1988年に入社した福井氏はボール開発グループに配属された。しかし、ここからいきなり世界初のソリッド4ピースの開発が始まったわけではない「DC432」はヒットしたが、カバーには硬いサーリンカバーを使用しており、一部のプロを除きスピン性能を満足させるものではなかった。
「DC432は止まらないね」とのプロ・上級者の声に応えるべく、設備投資も行い糸巻ボールの開発・製造に着手した。とはいえ後発メーカーであり、当時圧倒的品質を誇っていたダンロップの「ロイヤルマックスフライ」やタイトリストの「プロフェッショナル」に対抗できるものを開発するのは厳しかった。
それでも1991年には糸巻ボール「WX432」を製造・発売。開発にかかわった福井氏は、「なかなか難しかった」と当時を振り返る