ミズノが丁寧に真剣に作った高性能ウェッジがT24だ!
ミズノは、「T24 ウェッジ」を2023年9月15日に発売した。コピーは、“鍛造ウェッジに、スピン性能。スピン性能を進化させたツアーウェッジ” ツアーで培われた高性能とフィーリングを搭載。”だ。
ミズノのウェッジは、もともとスピン性能に定評があった。ただ、知る人は知る、という感じでスピン性能を前面に押し出すような広告戦略を取っていなかったが、今回は違うようだ。
「T24 ウェッジ」のテクノロジーは、「新クワッドカットプラス グルーブ」である。フルスイングで使うロフト48〜52度のスコアラインが、前モデルより2本増えて17本になった。物理的に溝が増えるとボールとの接する面積が増えるので、スピン量が増加するという理屈だ。
さらに、ロフト別にスコアライン形状を設計。
● 48度〜52度の溝:幅が狭く深い。強い力でインパクトすると無駄なく溝の性能が発揮される。
● 54度〜60度の溝:幅が広く浅い。弱い力のインパクトでも、溝が機能する。
雨や露などのウェットなシーンでも、ミーリングで水分を排除して安定したスピンを維持する「ハイドロフローマイクログルーブ」も採用している。
しかも5種類のソールグラインドが用意されていて、ロフトの組み合わせは限られているが非常に意欲的で面白い。
最後に「銅メッキ」だ。賛否両論あるが、打感を向上させる効果はツアーでは大好評である。アドレスビューも少しだけグースが入っていて、シェイプもかなり丸いのだ。
ワクワクしながら、試打ラウンドをした。試打したのは、56度/Dと、58度/D。ダイナミックゴールド HT(S200)のシャフト。ソフトホワイトサテン仕上げ。ボールは使い慣れていて、クラブの影響に集中できる「TOUR B X」を使用した。
「T24 ウェッジ」 は、ウェッジのトレンドの中のラスボス的な1本である!
「T24 ウェッジ」を打ってラウンドして、わかったことを挙げる。
● 打音打感:音量はちょうど良く、濡れた鞭系でシャープな音。やわらかいが少し重めの打感。
● 弾道球筋:高弾道だが、高低の打ち分けに敏感。テクニックが弾道に出る。スピンはすごい。
● 飛距離:ロフト通り。飛ばさないテクニックには反応。タッチが出しやすい。
「T24 ウェッジ」は、いわゆる顔がいい。小顔でヘッドも小さくて、ボールを包み込むようなイメージが出る。ソールのグラインドも良く、開いて使う前提だと考えてもいいほどバウンスが使える。打ち出しの調整ももちろんのこと、いろいろな弾道が打てる。
肝心のスピンは、笑ってしまうほど強烈にかかる。60ヤードから少し受けているグリーンに打って、7ヤードもスピンで戻ったホールがあった。それ以外でも、バンカーからでもラフからでも狙い通りのスピンがかかった。
スピンが自然にかかるウェッジで、バックスピンをかけたいというゴルファーにオススメである。ツアーウェッジは、スピンがかかりすぎると評価を下げる傾向があるが、普通のゴルファーにとってバックスピンは憧れであり、絶対的な正義でもある。
2023年はまさにウェッジの当たり年
「T24 ウェッジ」は、仕上げも2種類ある。試打したソフトホワイトサテン仕上げはマットなシルバーで、それとは別にデニムカッパー仕上げがあるのだが、このデニムカッパー仕上げがいい。クラシックな雰囲気で、ヘッドがより締まって見えるのだ。
ウェッジは消耗品という側面があるので、買い替えやすい。メーカーも次々に新製品を市場に投入している。面白いのは、基本的にはどれも優れていて悩ましいところなのだが、自然発生するトレンドが各メーカーを刺激し合って、ワインのような当たり年が生まれる。2023年はまさにウェッジの当たり年だ。
「T24 ウェッジ」は、2024年を意識した名称になっている。でも、間違いなく当たり年最後の本命ウェッジである。オフセットが小さく丸めのウェッジは、20世紀にはミズノの十八番だった。そういうトレンドであれば、ラスボスとして相応しい1本だと言える。
「T24 ウェッジ」は、ゴルファーを育ててスコアアップに貢献してくれるのである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


