「発売はこちらが一番を取るんや!」ミズノが驚くべき短期間で「バンガード」を生み出した背景とは

【第35回】商品開発はドラマ!老舗メーカーミズノが総力戦で送り出した“発売”一番乗りのカーボンウッド

2023/12/07 ゴルフサプリ編集部



ゴルフメーカーの商品開発におけるドラマチックな業界裏話を、メーカー勤務経験のフリーライター・嶋崎平人が語る連載企画。今回はバンガード(ミズノ)が主役のストーリー。

GOLF TODAY本誌 No.618/70〜71ページより
写真/ゴルフトゥデイ編集部 取材・文/嶋崎平人

ヤマハの発表を受け急展開を見せる形になったが、カーボンヘッドについては、養老工場において樹脂系の成型をしている部門で1979年頃から研究を開始し試作を繰り返していた。偶然ではあろうが、ヤマハが発表する前の1982年2月には「カーボンヘッド製造の特許」を出願している。

カーボン短繊維を使ったヘッド製造は比較的やさしかったが、ヤマハの発表を受け、パーシモンヘッドのようにネックに向けて木目と同じような流れを作るべく、ネックまでカーボン長繊維を編み込んだヘッドに挑戦。軽くて強度があり、反発もよいヘッドを目指していた。ヘッド用の金型については試作用がすでにあり、発売日を優先するためそのまま生産用に投入。