特集「三浦技研」 技術集団のこだわりがトッププロたちからも信頼される理由とは?【石井良介インタビュー】
石井良介×三浦技研 CROSS TALK
令和の試打職人として活躍する石井良介に「取材に行ってみたい場所はありますか?」と聞くと「三浦技研!」と即答。日本だけでなく、世界のトッププレーヤーからも愛される三浦技研。ゴッドハンドと言われる会長・三浦勝弘だけでなく、2代目・現社長の三浦信栄にも話を聞きに、鍛造アイアンの聖地を訪れた。
GOLF TODAY本誌 No.621/50~55ページより
工場にある大きなプレス機ですね。
プレス機の上の部分は見ましたか?
上ですか!?
あのプレス機は上からスクリューで捻るようにプレスすることで金型の中に鉄を閉じ込めることができます。私は90年代から鍛造アイアンをやるようになって、絶対にこのプレス機じゃないとダメだと思っています。
会長は研磨の印象が強いですが、鉄のことはどこで勉強したのですか?
ゴルフクラブの仕事をする前に鉄工所で働いていました。鉄工所では熱の加え方を変えて色んなものを作れたし、金属の本質を知ることができました。それが今でもすごく財産になっています。例えば熱したアイアンを冷ますときも急激に冷やすと内部の組織がダメになってしまう。だから自然にゆっくり冷やす。
三浦技研のアイアンには数多くの名器と言われるモデルがありましたが、今まで作ったアイアンで会心のモデルは何ですか?
ない。ありません。アイアンは1本ではなくセットです。だから5番アイアンだけがすごく上手く作れても意味がありません。それと夏も冬も同じものを作れないといけない。セットのバラツキをなくすこと、モデルのバラツキをなくすこと。三浦技研ではそこにすごく力を入れています。
プロが最も信頼する理由は、そこにあるのかもしれませんね。