殿堂入りするほどの名選手、パドレグ・ハリントンは珍事が絶えないうっかり屋さんだった?
佐渡充高のプレミアム・ファイル
ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 No.622/107ページより
昨年3月、パドレイグ・ハリントン(52歳)の世界ゴルフ殿堂入りが決定、アイルランド選手として14年ぶり3人目の栄誉だ。式典は6月に今季全米オープン開催地で殿堂本部があるパインハーストで行われる。
07年と08年全英オープン連覇、08年は全米プロ選手権のメジャー3勝など洗練の技術はもちろん、鋭い洞察力を生かし勝利を重ねてきた。ユーモアのセンスも抜群で世界の多くのファンに愛され、彼を慕う選手も多くローリー・マキロイ育ての親的存在としても知られる。いつもオープンマインドで僕も彼の大らかさに気持ちがほぐれる思いを何度も経験、アイルランド訛りの少し甲高い声が忘れられない。
全盛期は何度もタイガー・ウッズを撃破。02年ワールドチャレンジでは猛追ウッズを振り切り優勝。06年日本のダンロップフェニックスでもウッズをプレーオフで破り日本初優勝。彼らの頭脳戦は語り草になった。
が、珍事の多い「うっかりハリ兵衛」でもある。
98年豪州開催ハイネケンオープン最終日は終了3時間前にホールアウト。優勝圏外と判断し出国手続き終えロンドン行きの飛行機を待っていた。が、強風で後続選手がスコアを落としプレーオフ進出の知らせが! さすがに間に合わず勝利のチャンスを逃し3位に。01年TPC最終日18番でグリーン右ラフからアプローチをすると3つのボールが飛び出す珍事! ラフの中にボールが2つ隠れていたのだ。