ヘッドスピード40m/sのゴルファーが確実に180ヤード打てるクラブとは!?

吉本巧のゴルフギア教室 第9回

2024/04/06 ゴルフサプリ編集部



毎年たくさんの新しいギアがデビューするゴルフマーケットで自分に合った一品を選ぶのは至難の業。噂に流され手を出したら大失敗! という話もよく耳にする。安い買い物ではないだけに、セレクトミスは絶対避けたいところだ。こんな状況で役に立つのは正しい知識。道具はもちろんゴルフのテクニックについて正しく理解していれば惑わされない。ということで生まれた、ゴルフのメカニズムに精通したコーチ・吉本巧がギア目線から森羅万象を解説するこの企画。今回はヘッドスピード40m/sのゴルファーが180ヤード打てるクラブがテーマです。
写真/ゴルフサプリ編集部

180ヤードは自信をもってスイングできるかどうか境目の距離。アイアンで言うと5番あたりかと思いますが、残念ながらアマチュアの方のほとんどは5番が苦手で、ほぼ打てません。いまや5番を入れている人の7割は見栄。もしくはレイアップやティショット専用で、ほとんど使う機会がないと言っても過言ではないでしょう。

5番が難しい一番の理由はボールが上がらないこと。十分なスピン量が得られないため、打球がお辞儀をしてしまいキャリーが出ません。上がりやすいモデルもありますが、そうなると飛距離不足になりがち。打ちこなすには適正な入射角とミート率が不可欠で、基本的にはダウンブローにとらえないと打てません。プロでさえ5番と6番の間には深い溝がある。それほど難しいクラブなので、アマチュアの方が打てなくても当然なのです。

180ヤード対策としては、5番アイアンをカーボンシャフトにする、大きめの飛び系ヘッドにする、あるいは7、8番は普通のキャビティで5、6番をポケットキャビティにする、といった方法がありますが、いまはユーティリティ(以下UT)とアイアンの機能差があまりに大きく、アイアンがいくら頑張っても、やさしさの点ではヘッド体積があって重心がフェース面から遠いクラブには勝てません。アイアンが白でフェアウェイウッド(以下FW)が黒だったら、その間にUTを配していかに有効なグレーゾーンを作るかが先決。いまはまさにその過渡期で、スコアアップできている人はそれができています。言い換えれば180ヤードをちゃんと打てる準備ができているわけです。