ゴルファーの「どのくらいで回るの?」という質問。どう答えるのが正解? ヒントは“タイパ”
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第105回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
相手がゴルフをすると知ると、急に親近感が増して、もっと相手を知りたくなるのもゴルファーあるあるです。
「いくつぐらいで回っていますか?」
「ベストスコアは?」
「ハンディはいくつですか?」
というような腕前を問う質問をする、もしくは、されることはよくあります。
見栄を張って嘘をついても、バレて損をするのは自分ですので、正直に答えるのが正解で、そういう正直さも、同時に評価されていることを意識すべきです。
「どのくらいでプレーしていますか?」
「調子が良ければ、ハーフ2時間以内で回れます!」
という笑い話があります。スコアを聞かれているのに、プレーの速度で答えてしまう勘違いが面白さのポイントです。
しかし、この話は奥が深いのです。
一緒にプレーする際に、スコアの良し悪しよりも、プレー速度のほうが重要だったりするからです。
自分と相手のペースが合わないことは、ゴルフだけではなく、どんなケースでも苦痛です。マイペースを張り合っても、お互いにマイナスが増えるだけで誰も得をしません。上手に妥協するのが、大人の対応であり、一般社会的常識だと教えられてきました。
ゴルフの場合は、スロープレーは自分たちの組の中だけではなく、後ろから回ってくる全てのゴルファーに影響を及ぼします。それを前提として、マイペースの質が問われますし、気配りが出来ることが求められるのです。
遅いペースの人を待つ時間は、本当にイライラしますし、無駄な時間を過ごしていると絶望します。社会生活の中でも、列を作って待っているときに、先頭がノロノロしているのは、許されない迷惑行為です。ゴルファーでも同様ですが、遅いペースの人ほど、自分が遅いこと、迷惑をかけていること、渋滞の先頭になっていることの自覚がないのです。
冗談ではなく、ゴルフを楽しみたい人は、常に自分のプレーのペースが遅くなっていないか? チェックして、ブラッシュアップし続けるのが正解なのです。