プロゴルファーを“起業”する時代が始まっている!? CEOはマーベリック・マクニーリー

佐渡充高のプレミアム・ファイル

2024/07/06 ゴルフサプリ編集部



ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。

GOLF TODAY本誌 No.625/99ページ

PGAツアー5年目マーベリック・マクニーリー(28歳)はIT長者の父スコットの長男として誕生。育った家は4階建の主邸、ゴルフ場やアイスリンク、バスケの屋内コートまで敷地内にある豪邸レベルを超えた住環境。両親と4兄弟でスポーツにも親しみ成長した。

父はハーバード大学ゴルフ部出身でベストハンディ+2。さらに上を目指し寸暇を惜しむ努力を続け経済誌フォーチュン選出の米国500人CEOランクで1位に。仕事とゴルフの相乗効果で活躍する父を見ながら息子もスタンフォード大学でタイガー・ウッズ以来の快挙をいくつも達成、世界アマランク1位も戴冠し「プロゴルファーを起業」した。

父の影響で個人競技の選手も「プロ起業」という明確なビジョンを持ち社会デビュー。目標をメジャー優勝に掲げ各分野の専門家とタッグを組みチームを構成。スイングコーチはブッチ・ハーモン。メンタル、トレーニング、身体ケアなど各々の専門家。転戦等のマネジメントは父の元秘書、財政の相談役は自動車メーカー経営幹部だった父方の祖父。キャディはベテランのトラビス・マカリスター、プレーの戦略コンサルタントは元ツアープロの親友ハンター・スチュワート。彼らと話し合いながら「チームMav」(彼の愛称)を編成すると世界有数の税理士法人KPMGが賛同しスポンサーに名乗りをあげた。

プロ転向直後に拠点をカリフォルニア州からネバダ州ラスベガスに移し大学のチームメイトでPGAツアー選手ジョセフ・ブラムレットと共同生活をスタート。屋内に設けたチップやパットの練習施設が必要で家賃は高額だったが自己投資し「いつかフル装備可能な家を購入できる選手になる!」をモチベーションに自身のアップグレードに挑戦。先行投資できる賞金を得てからはさらに大きな家に転居し24時間コーチ陣とセッションできるトラックマンルームも設営。同地には戦略性の高いゴルフ場が多くあるだけでなく、後方支援の両親、祖母も在住ですっかり“LOVEベガス”になった。

マクニーリーと言えばパット。昨季のパット貢献率と3パット回避率1位などツアー屈指の達人だ。幼少期から親しんでいるスケーティングは最高のクロストレーニングで強靭で柔軟な足腰がプレーにも生かさている。

21年ペブルビーチプロアマやフォーティネット選手権2位など初優勝まであと一歩。昨年中盤に左鎖骨を負傷しツアー離脱。左肩への負担軽減スイングに変更し5カ月ぶりに復帰した。離脱期間を有効活用しパイロット免許を取得し、そこで知り合ったマヤ・ダニエルとスピード結婚! 新スイングと新妻でパワーアップした「チームMav」の新風を楽しみにしたい。