ハーフ3時間、ランチ1.5時間!? ‟大渋滞ラウンド”は「夢の国」と考えてみよう!

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第112回

2024/07/29 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典



ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

「ハーフ3時間、毎ホール渋滞、ホール内でも待たされて、ランチは90分。参ったよ」
ハイシーズンのゴルフコースで、時々、耳にする愚痴です。
「本当に、このコースは詰め込みすぎ! 儲け主義な経営だ!」
という声も聞こえてきます。このような愚痴と分析のセットは、ゴルフの“あるある話”です。

確かに、昔は、無計画にトップスタートからハーフだけで30組以上もスタート枠があるコースもありました。始めからランチタイムが2時間近くになってしまうことを想定していたのです。
「ゴルフの大衆化のために、低料金でプレーできるようにしています。その分、数を入れないと採算が合わないので、待ち時間は我慢してください。数字に明るい人なら、わかる理屈ですよね?」
当時のそのコースの総支配人の言葉です。正々堂々と、胸を張って主張していました。これが、“詰め込み過ぎ”のゴルフコースで、ゴルフコースの責任でした。

現在の令和のゴルフコースでは、昔のような無計画な詰め込み過ぎの営業をするようなケースは、実は皆無です。
先頭の組と最終組のスタート時間を調べればわかります。日が長い時期でも、スタート時間は、2時間半程度、全て4人の組だとしてもハーフに100人以下になるようになっています。
計算通りに行けば、“ハーフ3時間、毎ホール渋滞、ホール内でも待たされて、ランチは90分”なんてことにはならないのです。

高速道路などでも当てはまりますが、渋滞は原因となるたった1台の車から発生することもあります。
ゴルフコースは一本道みたいなものです。渋滞の原因は、一人のスロープレーヤーがいれば十分なのです。
つまり、車の量が多いほうが渋滞は起きやすいのも事実ですので、客を入れすぎることの影響がないとは言えませんが、コース内渋滞の直接的な原因は“スロープレー”であるほうが圧倒的に多いのです。