パリ五輪ではメダルに期待!ドローもフェードも自由自在な笹生優花の“脱力スイング”
一流プロのドライバーのマネどころ
さそう・ゆうか/2001年6月20日生まれ。166cm。2019年のプロテストに合格し、2020年は日本ツアーで2試合連続優勝を達成。2021年には「全米女子オープン」でメジャー初優勝。2024年の「全米女子オープン」で日本人初のメジャー2勝目を達成して、パリ五輪出場を決めた。
2度目の「全米女子オープン」優勝を達成した笹生優花。「全米女子オープン」では最終日の平均飛距離も1位。4日間の平均飛距離も280ヤードを超えていた。それだけ飛ばせる秘密はどこにあるのか?
GOLF TODAY本誌 No.626 12~15ぺージより
米国ツアーにはパワーで飛ばすタイプの選手もいますが、笹生優花は回転で飛ばすタイプの選手です。1軸ではなくて、体重移動も上手く使って打っています。トップでは上半身を深く回転させながら、頭の位置は右に動いています(写真04)。正面から見たときに頭の後ろに右肩が見えるのは肩が90度以上回転しているからです。
そして、切り返しで左足を踏み込んだ瞬間は頭の位置も左に戻しています(写真05)。右から左の体重移動を使うことによって深く捻転した上半身をスピーディに戻すことができます。さらにインパクトからフォローにかけてはもう一度、頭が右に戻ります。これはヘッドが目標方向に動いた反動で右に動いただけです。アマチュアゴルファーだと頭が左に動きながら、ヘッドも左に動いてしまうので窮屈なスイングになりがち。フォローでは頭が右に戻る力がかかるのが正しいスイングです。
もう一つ、フォローで注目してほしいのは左足のツマ先です。インパクト直前(写真07)までは左足にも力がかかっていますが、打ち終わった後は左足がほとんど浮いてます。左足に最後まで力が残っていると回転スピードが上がらないのですが、笹生は上手く脱力することで体の回転スピードを上げています。