転がりが良くなる重いパター、距離感が作りやすい軽いパター。アマチュアはどっちを選ぶべき?

吉本巧のゴルフギア教室 第31回

2024/09/07 ゴルフサプリ編集部



ここ最近、パターは総重量がどんどん重くなっている。ヘッド重量が従来よりも30gや40g重くなっているのだ。重いパターは転がりがいいというメリットがあるが、距離感を出せないアマチュアにはそのメリットがデメリットになるのでは? と言う吉本巧。その理由を聞いてみよう。
写真/ゴルフサプリ編集部

昔のパターと比べると今のパターは圧倒的に総重量が重くなっています。ヘッドの大型化のせいもありますが、スコッティキャメロンのピン型パターでさえタイガー・ウッズが使って日本に浸透した頃よりずいぶん重くなりました。そこで提言ですが、重いパターは距離感を作れないのでアマチュアの方は注意が必要です。

パットでボールが転がる距離は人の力とパターの重さで決まります。重いパターと軽いパターで同じ距離を打った場合、重いパターはパターがボールを転がしてくれる割合が多く、軽いパターは自分の力でボールを転がさなければならない割合が多くなります。

アマチュアの方が重いパターを使うと、多かれ少なかれボールが勝手に転がってくれます。みんなそれを見て、転がりのいいパターだと思ってしまうのですが、転がるのは単に重いからです。百歩譲って転がりがいいと解釈するのはいいとしても、自分が打っている以上に転がっているわけですからパターに洗脳されている状態です。

それでも多くの人は「パターがやってくれるなら洗脳されたままでOK」と考えるでしょう。ショートを繰り返していた人が重いパターで届いたら嬉しいですからね。でも、自分のパットは何ひとつ変わっていません。距離感が合うようになったわけではないですからハッピーなのは束の間の出来事。すぐ元に戻りますし、自分がやることも減るので確実に技術は低下します。

パットは打つことが大前提。自分でタッチを出してナンボと僕は思います。パターまかせになるほど打てなくなります。1メートル以下のパットなら打つ意識さえなくなるでしょう。それでもいいと思うかもしれませんが、タッチはないままですからミドルパットやロングパットのレベルが底上げされることはありません。ショートだけだったのが大オーバーもするようになるのです。