ZOZOチャンピオンシップのパー4で「8」を打ったシャウフェレに学ぶ「後悔しない決断」
石井良介のゴルフ・すべらない話:第49回
「ZOZOチャンピオンシップ」の第1ラウンドで悲劇に見舞われたザンダー・シャウフェレ。舞台となったのは、506ヤード、左ドッグレッグのパー4。左に曲げたティーショットが林に入り、ボールは木の根元に止まった。そこで2度の空振り(!)、救済を受けて5打目にしてようやく脱出できたものの……結局このホールはクワドラプルボギー「+4」となった。今季、メジャー2勝のトッププロになぜこのようなことが起こるのか。石井良介が振り返る。
撮影/相田克己
ティショットを失敗したあと、2打目で取り返そうと3番ウッド(以下3W)を振り回していませんか? 常識で考えれば、一番打ちやすいティアップという状況で失敗したばかりの人が、ラフから3Wなんて打てるわけがないのですが、残念ながらそこまで思いが至らない人が後を断ちません。
ラウンド中、プレーヤーのバロメーターは上下します。いいタイミングとテンポでスイングできている時間帯と、なぜかミスしてしまう時間帯があります。後者の時に3Wで1ヤードでも距離を稼ごうと無理をすると、さらにスイングが悪くなって負のスパイラルにハマっていきます。そうなったら赤信号。最悪は心がキレて「今日は練習。スコアはどうでもいいや」という感じになってしまいます。
諦めたことでスコアがよくなる人もいますが、求めていることを自分がやりたい時にできるようになるのが上達するということ。諦めた末に持ち直したスコアは、次に出そうと思って出るものではありません。
ラウンド中は自分のスイングとメンタルのバロメーターを見て、いかに上向きになるチョイスをするかが大事。この見極めができるようになれば、ティショットをミスしても3Wではなくユーティリティや7番アイアンで立て直そうという気持ちになり、スイングも上昇過程に誘導することができます。