松山英樹のドライバーショットは『手の動きを抑えて体で打つスイングの理想型』石井忍が解説!

一流プロのドライバーのマネどころ

2024/12/29 ゴルフサプリ編集部



松山英樹 まつやま・ひでき/1992年2月25日生まれ。2021年のマスターズ優勝を含む、PGAツアー通算10勝。今年のパリ五輪では日本男子ゴルフ初のメダル、銅メダルを獲得。世界ランキング7位。LEXUS所属。

今季の松山英樹はPGAツアーで2勝、さらにパリ五輪では銅メダルを獲得して、日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」に凱旋。試合直前の練習日に松山英樹の最新ドライバースイングを撮影すると、飛んで・曲がらないフェードボールを打てる秘密がわかった。

GOLF TODAY本誌 No.630 14~17ぺージより

松山選手が長年、PGAツアーでトップ選手として活躍できるのは軸がブレないスイングができるからです。世界のトップ選手でも調子の波はありますが、松山選手の場合は軸がブレないので、調子が悪くてもスコアをまとめることができます。

軸がズレないポイントは2つ。まずはスタンスを広くすることによって頭の位置を動かないようにしています。スタンスを狭くしたほうが体を回しやすくなりますが、松山選手は「曲がらないスイング」をベースにした上で飛距離を伸ばそうとしています。どちらかと言えば、体重移動というよりは体の回転を重視したスイング。バックスイングでは右足、ダウンスイングでは左足を踏み込んでいますが、ツマ先立ちになったり、ジャンプするような過度な踏み込みはせずバランスの良いスイングを徹底しています。

もう一つのポイントはダウンスイングの右肩です。アマチュアゴルファーだとダウンスイングで右肩が下がったり、右肩が前に突っ込んだりしがちなのですが、松山選手はハーフウェイダウンからインパクト、そしてフォローまで右肩がほとんど動いていません。右肩をキープしたまま腕を伸ばして、ヘッドを走らせています。右肩が下がってしまうとフェースが開いたままインパクトしやすいのですが、右肩をキープできればフェースターンするのでつかまったボールが打てます。松山選手はフェードヒッターですが、つかまったフェードボールが打てるのは右肩がこのポジションにあるからです。

右肩をキープしたままヘッドを走らせるには左腕の使い方が大切です。私は「左腕をリリースする」という表現をしますが、インパクトからフォローにかけて左腕を体から離していくことによって、スムーズに腕とヘッドを動かすことができています。アマチュアは、左ワキに力が入りすぎて左腕をリリースできないタイプが多いので、左腕を離す感覚を意識してみてください。