クラブが上がり切る前に下ろす! 「上と下」のパワーの引っ張り合いで飛ばしのタメを生む!【ドラコンプロ・小井土峡太】
名コーチたちが教える飛ばしのテクニック小井土峡太コーチ(2)

「切り返しで飛ばす腕振りスイングの最高の見本はジョン・ラームです」と小井土コーチ。コンパクトに見えるトップだが、ここにビッグキャリーを生み出す秘訣があるという。
取材・構成・文/三代 崇
写真/相田克己 協力/新武蔵丘ゴルフコース
ゴルフトゥデイ本誌No.633より
スペインの飛ばし屋、ジョン・ラームといえばゴルフファンならご存知の方も多いかと思います。カラダは大きいですが、低くてコンパクトなトップから高速で切り返すのがラームの特徴です。このスイングを参考にしましょう。
トップというポジションを自分で作ろうとしたり、カタチを意識したりするのはよくありません。スイングには流れというものがあり、カタチを作ろうとすると運動の連鎖がなくなってしまいます。ラームのようにクラブが上に向かう途中でクラブを素早く引き下ろしましょう。これで上に向かう力と下に向かう力が拮抗して、勝手にトップに見えるポジションへとクラブは導かれます。でも、その段階ですでにダウンスイングに入っていて、上と下のパワーの引っ張り合いによって大きなタメとシャフトのしなりを引き出してくれるのです。
左足を踏み込んでから振り下ろす体勢を作るとか、下半身の意識は不要です。それではクラブが遅れて、速く振れなくなります。とにかく腕と手を真下に引き下ろしましょう。結果として下半身が自然と踏ん張るような動きとなります。プロたちは下半身先行で切り返しているように見えるかもしれませんが、実際は手で振り下ろしているのです。ボク自身も下半身を使う意識はまったくありません。