練習グリーンは小さな社交場! ラウンドの前哨戦や新品パターのお披露目を楽しもう
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第123回

練習グリーンは自分の組以外の人たちも使用しているので、単なる練習の場所ではなく、自分を自然とアピールする社交の場としても機能している。下を向いているから人が履いている新品のシューズや最新モデルのパターに気付いたり。その日のラウンドの前哨戦としてパット戦を楽しんだり、練習グリーンは過ごし方次第でゴルフをもっと楽しくしてくれる場所なのです。
僕が会う若いゴルファーは、熱心でゴルフが大好きな人ばかりなので、一般的なのかはちょっと怪しいのですが、練習グリーンでパットの練習をしたことがきっかけになって、新しいパターを購入したというケースが、ドライバー購入よりも多いのです。
今までのゴルファーの購買行動では、中古でスタートして、ある程度上達してから、初めて購入する新品はドライバーという例を最もよく耳にしましたし、実際にそういう人たちを見てきました。
でも、僕の周囲にいる令和のヤングゴルファーの初めての新品クラブは、パターという例ばかりなのです。
理由は、ドライバーより手頃だとか、スコアに直結する道具だからとか、試打したら良さが自分でもわかったとか、色々あるのですが、そのきっかけは、練習グリーンでパットが上手い人を観察していたら、新しいパターを使っているように見えたからだというのです。
新しいパターに慣れるために、使用者は長めに練習グリーンを使う傾向があります。
もしくは、最新のパターほど、自慢気に練習グリーンで使用して注目される快感を得たいというパターンもあるでしょう。
更に、パターが上手い人ほど、練習グリーンを無駄なく使っているもので、かつ、貪欲に新しいパターを試す傾向があるのも事実です。
ヤングゴルファーが清水の舞台から飛び降りるつもりで購入した新品のパターをワクワクドキドキしながら使っているのを練習グリーンで見ている時間は、尊みに溢れています。