「本日のグリーンのスピードは10フィートです」。それって速いの? 遅いの?

2025/05/28 ゴルフサプリ編集部 真鍋雅彦



キャディマスター室の前に、「本日のグリーンのスピードは10フィート」と書かれているボードを見て、「フィートって何のこと?」「10フィートってどんな速さなの?」と思ったことがあるのでは?
今回は、グリーンの速さを表す「フィート」についてじっくり説明。この数字の意味、きちんと理解しておけば、パッティングの距離感が合いやすくなりますよ。

「フィート(Ft)」というのはもともと距離を表す単位で、1フィートは30.48センチ(cm)。これがゴルフ場では、グリーンの速さを表す単位として使われます。

なぜフィートがスピードの単位として使われるかというと、グリーンの速さを測定する器具「スティンプメーター」を使い、ボールが転がる距離によってグリーンの速さとしているからです。

では、具体的にどうやって測っているのか。まず測定器具のスティンプメーターについて。これは、アルミニウム製の細長い棒状のもので、長さは3フィート(91.44センチ)。中央部分にボールを乗せるための溝(レール)が設けられています。

使い方はいたって簡単で、スティンプメーターの片方の端を地面に置き、反対側を徐々に持ち上げていきます。そうするとやがてボールが転がります(角度が20度前後になると転がり始める)が、そこで持ち上げるのをストップ。そのあとボールが転がった距離を測ります。例えばボールが9フィート転がった場合、その「9フィート」がそのままグリーンの速さになります。当然のことながら、ボールの転がる距離が長いほどスピードが速いということになり、9フィートより10フィートの方が「速いグリーン」になるということです。

計測は、グリーンの中でも特に平坦な場所を選んで行われます。一方向からだけだと精度が低くなるので、最低でも両方向から各3回ずつ転がして平均値をとるというのが一般的。測定値にバラツキが出た場合は、最大値と最小値を除いた平均値を採用します。

また、グリーンが広めのコースなどは4方向から転がして平均値をとる場合もあるほか、いくつかのグリーンで同じことをやってその平均値を「その日のスピード」にするコースもあります。

人気記事ランキングまとめ