スイングにはフルショットとアプローチしかない。と、思っているゴルファーがけっこう多い!?

今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【14】

2025/06/21 ゴルフサプリ編集部



ゴルフスイングにはフルスイングやハーフスイング、スリークォーターといった振り幅の違うスイングがある。だけど、初心者の頃にはそんなこともわからないし、思い付きもしない。そして、疑問を持たずにゴルフを続けてきた人の中には、フルスイングとストロークの延長みたいなアプローチショットだけでゴルフをしている人もいる。今回は、アマチュアゴルファーのスイングのレパートリーについて、蝶ネクタイを締めたプロコーチ・今野一哉氏に解説してもらった。

 先日、友人がピンまで40ヤードくらいの距離からフルスイングしていたんです。ゴルフの経験が豊富な方からすると、ロブショットでも打ったの? と思われるかもしれませんが、ピッチエンドランかピッチショットをするような状況だったんです。
そこで、あるプロに言われたことを思い出しました。「たまに、ゴルフスイングにはフルショットとアプローチショットしか知らない人がいる」と言われたことを。今野さん、これはアマチュアにありがちなことなのですか?
 初心者の頃だけでなく、それなりにゴルフ歴を重ねた人でもあるあるですよ。僕もビギナーの頃、そうでしたから(笑)。
 ええ! そうなんですか!
 そうなのです。テレビのチャンネルで例えると、フルスイングとアプローチのチャンネルしかないわけですね。ああ、パターのストロークも入れると3つですけど。ゴルフを始めたばかりの頃なんかは、マン振りみたいなフルスイングとパターのストロークしか知らない。だから、中途半端な距離になると、ストロークで打つか、それで届かないと思ったらフルスイングが頭に浮かんでしまうんです。2チャンネルしかない状態ですね。
 思い返すと僕もそうでしたね。30ヤード以内なんかで、ピンに対してアプローチするようなスイングはできてなかったです。
 僕はタイガー・ウッズを見て育ってきたのですが、タイガーが状況に応じていろいろな打ち方(スイング)をしているのを見て、「あれ? ゴルフスイングってドライバーみたいなフルスイングとパターのストローク以外にもあるのか?」と思ったんです(笑)。
 それは面白いですね(笑)。
 もしかしたら、タイガーがいなかったら、そんな考えは浮かばなかったかもしれません。そうして、僕はタイガーのパンチショットを見て、スリークォーターやハーフスイングがあるんだと知ることができました。でも、あまり考えずにゴルフを続けていると、フルスイングとストロークみたいなショートスイングと、ストロークしかないっていうふうになりがちです。でも、そんなゴルファーも好奇心を持ってトーナメント観戦をしたり、ゴルフ雑誌を読んでいたり、上手な人に話を聞いていたら、ゴルフスイングには「ストローク、ショートスイング、ハーフスイング、スリークォータースイング、フルスイング」の5パターンがあるということを知ることができたと思います。