新しく買ったパターはよく入る! というのは気のせいだった!? 思い込みの裏に秘められた上達のヒント
今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【17】

新しいパターやクラブは、なぜか入る気がするし、良い球が打てるような気がしてしまう。でも、それってただの思い込みという場合もある、という今野一哉プロ。そんな身もふたもないこと言わないで! と言いたくなるけど、どういうことなのか、説明してもらおう。
今野さん、今回のテーマは「新しいパター、クラブだとなぜかうまくいく気がする」というあるあるです。新しいパターって、なんか入る気がしちゃうんですよね。
わかります。でも、悲しませるようで申し訳ないのですが、それって気のせいなんですよね
え、やっぱりというか…気のせいなんですか。
そうなんです。例えば2mのパットを10回中7回入れるプレーヤーがいたとして、パターを変えたからといってそれが9回や10回に跳ね上がることはないんです。これは私が個人的に調べたことなのですが、データ的に見たら全然差は出なくて、入るようにはならないんです。それから、集中的に入る時期もあれば集中的に外す時期もあって、集中的に入る時期にハマると「やっぱり新しいパターだから入るんだ」ということになっているだけ。ですから、だんだん入らなくなっていって、その時にはまた「パター、変えようかな」という気分になるんです。
そしてまた新しいパターを買ってしまうということですか。
そうなりますね。だから、パットが入らないのはパターに原因があると思っても、少し時間が経つとまた入るようになるんです。でも、10回中7回、というのは変わらなくて、入る時期が来たことで「よく入る」と勘違いしてしまうわけです。
そういうことだったんですね。
でも、パターでもドライバーでも、新しいものを使うのは気分が前向きになって良いことですよ。その前向きな気分がプレーに良い影響をもたらして、いつもよりちょっとだけ結果が良くなる、ということはあると思います。
それから、たとえばパターを新しくしようと思ったということは、今自分には何かが足りない、どこかを修正しなければいけない、感じているからです。パターを新しくすることで、その何かに気付くことができることもあるでしょう。
改善点が見つかるきっかけになることもあると。
そうです。上達のきっかけをつかむことができるわけですね。