ゴルフの弱点克服はクラブに頼れと言うけれど……ヘッドとシャフトのどちらかを変えるならどっちがいい?
石井良介のゴルフ・すべらない話:第90回
「クラブに頼って弱点を克服したいけど、実際どうやったらいいの?」
令和の試打職人、石井良介の元にはこんな疑問を抱えた人が多く訪れる。確かに、ゴルフクラブやシャフトに詳しくなければ、そのクラブが本当に自分にとって最高なのかはわからない。違いがわかるゴルファーになるには、何が必要なのだろう?
「生まれ持った」と言ったら言い過ぎかもしれませんが、誰しもビギナーの頃によくやらかしたミスは、トラウマみたいに体のどこかに残っているものです。僕はもともとドライバーのスライスで悩んでいて、どうやったらフックするのか皆目わかりませんでした。
そのせいで今もスライスの方がコントロールしやすいですが、反面、右サイドがOBのティショットは一瞬イヤな気持ちになることがあります。また、アプローチではザックリやトップがよく出ていたので、その苦い経験を思い出すこともあります。いずれも今日までの経験で大事には至らないようになりましたが、イヤな雰囲気になることはたまにあります。
アマチュアの方の中には、こういったことを解決しきれずに引きずったままの人がたくさんいます。練習やラウンド機会が少ないことを思えば無理からぬところですが、かといってシャカリキに練習しないと解決できないかといえば、そうでもありません。
ズバリ、クラブに頼ることです。ずいぶん昔の話になりますが、僕の場合、父親がくれたジャンボ尾崎さんのドライバーを打ったことがきっかけになりました。当時の僕が使っていたのは母親のクラブ。子どもでパワーがなく、おまけにシャフトが超硬いジャンボさんのクラブなど打てるはずがありませんが、それでもシャフトを替え、ヘッドをいじり、自分にとって美味しい部分を増やしていくとちょっと当たるようになりました。
ウェッジにしても同様で、バウンスについて学んだり、その使い方を教わりに行き、自分が間違っていたことに納得すると打てるようになりました。練習を重ねて技術を身につけることは上達の大前提ですが、一方でクラブが結果を変えてくれることも早い段階で知ることができたので弱点を克服できた。本質的には弱点をカバーしてくれるクラブに頼るべきだと思っています。