プレー中の作戦変更は百害あって一利なし! 予想スコアに向かって初志貫徹してスコアの悪化を防ごう

今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【25】

2025/09/06 ゴルフサプリ編集部



前半は調子が悪かったのに、後半になったら調子が上向き。そうなると、後半スタート前に予想していたスコアよりも、もっと良い結果が出せるのでは? と思ってしまうのは仕方ない。だけど、それがスコアを悪化させる原因だとプロコーチ・今野一哉は言う。

 プレー中に最終的にどのくらいのスコアで上がれるか、誰しも考えてしまうと思うのですが、取らぬ狸皮算用みたいなことはよろしくないとも言われます。プレー中、スコアのことは考えないほうがいいのでしょうか。
 予想を立てること自体は悪くないと思うのです。プロも予想を立てるじゃないですか。トーナメントが始まる前に優勝スコアはこれくらいだろう、と予想してゴルフを作っていますからね。当たりをつけるのは悪くないのですよ。
 事前に予想を立てるのは良いのですね。
 ただ、プレー中にスコアを軸に作戦を修正するのは、よろしくないですね。このホールは3打で上がるのが妥当である、4打で上がるのが妥当である、というのを積み重ねていって、予想スコアが90になる。そこに向かってプレーしていくのは良い。よろしくないのは、なんとなく上手く進んでいって、これだったら90を狙えるかもしれないから90を狙おうというのは危ないんです。
 そういう危ない考え、頻繁にしてしまっています(汗)
 あるでしょう? いつもよりも調子が良いぞ! これなら今日はベストスコア狙えるかも、なんて考えてしまう人は多いと思います。
 はい。なんとなく上手くいっているから、このままいけば! と思ってしまいますね。
 はい。スタート前に、妥当性のある予想スコアを用意して、次のような考え方でプレーをするのは良いです。例えば、スタートホールはボギーでもいいや、次の長いパー4もボギーで収めたいな、というふうにホールごとに計画を立てて、このコースを90で回れたら合格点だなと準備しておく。そして、始まってみたら出だしのホールがダブルボギーにしてしまったから、予想スコアが91になってしまった。でも、次のホールでパーだったから、90に戻せたな、というように予想スコアを軸に進んでいく。
 なるほど。事前の予想スコアが軸になっていて、危なげない思考でプレーできそうですね。
 自分の中の“パー”を作っておいて、そのパーに対してオーバーした、凹んだと考えながら進んでいくのが健全ですね。でも、前半で大叩きをして、後半の出だし3ホールでパーが連続したから、これなら90を狙えるなんて思ってしまう。そうすると、上がり3ホールが難易度の高いホールだったとしても、90を目掛けてプレーしてしまうとリスクを負ってプレーしたりして、バタバタッとスコアが悪くなるわけですよ。
 それも身に覚えがありますね。
 前半で大叩きをして調子が悪かったわけですから、当初予定したい後半のプレーや上がり3ホールは無理をせずに安全策で行こうと考えていたはずなんですよね。それが、たまたま出だしが良かったからといって、良い流れに乗ってもっと良くしようと思ってしまうと、コースと気持ちが噛み合わなくなって予想外の悪い結果が来やすいのですよ。
 以前、話していただいた「平均の法則」が働いたりするわけですね。
 そうですね。予想通りにはいかないのがゴルフですから。でも、そのことも見越してスタート前に立てた予想スコア90に向かって、上がり3ホールはダボダボダボでも90だから、頑張ってダボを取ろうと初志貫徹できれば良いのですけどね。