山下美夢有のドライバースイング徹底分析! 超フラットスイングでFWキープ率80%の理由

一流プロのドライバーのマネどころ

2025/10/27 ゴルフサプリ編集部



日本ツアーでは2年連続で年間女王、3年連続で平均スコア60台という驚異的な安定感を見せていた山下美夢有。米国LPGAツアーでも上位で活躍し、8月の「AIG全英女子オープン」ではメジャー優勝という快挙を達成。今季大活躍している竹田、岩井姉妹とはプレースタイルが異なる山下のドライバースイングには飛ばし屋の選手とは異なる特徴があった。

GOLF TODAY本誌 No.640 10~13ぺージより

米国LPGAツアーでも約80%という驚異的なフェアウエイキープ率を武器に活躍している山下選手。最大の特徴は手元を低くした超フラットスイングで打っていることです。日本ツアー時代も、日本で最もフラットに打つ選手の1人でしたが、LPGAツアーでも山下選手ほどフラットなスイングをしている選手はなかなかいません。手元の位置は低くて、ヒザより少し上くらい。そしてボールを体から離して構えているので、アドレス時のシャフトの角度は30度以下になっています。

フラットなスイングとアップライトなスイングを比較すると、実はアップライトなスイングの方が再現性は高くなります。わかりやすいのはブライソン・デシャンボー。デシャンボーは手元を高くしてシャフトを垂直に近い角度にすることでスイング軌道を安定させています。

では、なぜ山下選手はフラットスイングなのにフェアウェイキープ率が高いのか? その理由はアドレスでフラットになっている角度をバックスイング、トップ、ダウンスイング、インパクトまでキープし続けることができるからです。

腕の角度が変わらないのは、腕の動きを抑えて背骨を回しているからです。日本ツアーで活躍していたときから山下選手は背骨を中心に回す軸回転が日本一上手いと思っていましたが、今では世界一上手だと思っています。腕に余計な力を入れることなく、背骨をクルッと回して打っています。ちなみに日本ツアー時代の山下選手は両ワキにタオルを挟んで、タオルを落とさないように打つ練習をよくやっていましたが、今年のスイングを見てもバックスイング、ダウンスイング、そしてインパクトと全くワキが空いていません。それもフェアウェイキープ率が高い要因です。