応急処置スイングは“効きすぎ”が危険。上手く当たった時がやめ時です!

今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【28】

2025/10/25 ゴルフサプリ編集部



例えばラウンド中、急に球がつかまらなくなった――そんなとき「つかまえる動きを強くしてみよう」と、その場でスイングの調整を試みるゴルファーは多いはず。一時的には上手くいっても、やがて違和感が出て「さっきまで良かったのに……今度はチーピンか……」と混乱することもしばしば。
そこで今回は蝶ネクタイを締めた今野一哉プロコーチに、“ラウンド中に突然スイングをいじることのリスク”と“正しい対処法”を聞きました。

 ラウンド中、「球がつかまらないな」と思ったときに、ふと「フェースをもう少し返してみよう」など、ちょっとつかまえる動きを入れてみたら良くなった――そんな経験、ありますよね。でも、最初の数球は上手くいくんですが、続けているうちに引っかけが出たり、「あれ? さっきまで良かったのに」となる。あの現象って、いったい何が起こっているんですか?
 簡単に言うと、“醤油をかけたら美味しかったから、もっとかけたらしょっぱくなった”という話です(笑)。つまり、最初の調整は確かに効いたけど、続けすぎたことで過剰反応が出ているんですね。
 なるほど、わかりやすい(笑)。では、過剰反応が出てしまうのを避ける、タイミングはどのあたりなんでしょう?
 ナイスショットが出たときです。もうその時点で“醤油をかける”のを止めるべきなんです。3球目くらいで「これはいいぞ」と思った頃には、すでにやりすぎの入り口にいます。つまり、ラウンド中の調整は効果が出たらすぐやめるのが鉄則なんです。
 なるほど。では、上手くいったら、普段のスイングに戻すというか、何も考えずにスイングするのが理想なんですね。
 そうです。ラウンド中に調整を入れるのは“応急処置”にすぎません。応急処置が効くということは、すでに症状が重いということ。たとえるなら痛み止めを打って無理にプレーしているような状態です。だから効き目が出たら、そのまま飲み続けるのではなく、「痛みが引いた=症状が改善してきた」と捉えてストップしなければいけません。