「守りのゴルフ」を選んだのに思いがけないミスショット! それでも、心が折れない方法とは?

今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【30】

2025/11/15 ゴルフサプリ編集部



良い流れだったからこそ“守り”に切り替えたのに、たった一度のミスから大叩き。誰にでも起きるこの失敗を、どう防ぐか。今野一哉コーチは「守りたい日は最悪から逆算して“下のライン”で戦う」と説きます。ミス直後こそアクセルではなくブレーキ。番手、狙い、打ち方をどう変えるべきか、心が折れないための具体策を掘り下げます。

 致命的なミスで心が折れてしまう時って、ありませんか?
 ありますよ。何度も経験してきましたよ。最近、心が折れたんですか?
 はい。先日のゴルフで、前半のハーフでボギー4つの4オーバーで9ホール目を迎えたんですよ。左サイドに池のある460ヤードのパー4で、フェアウェイがそれほど広くなかったので「ここは絶対にボギー以上は叩きたくない」と思って、普段しない刻みながらグリーンまで運ぼうと考えたんです。
 はいはい。守りのゴルフに徹しようとしたわけですか。
 そうです。ティショットは、その日よく当たっていた6番アイアンで180ヤード、右ラフでしたけどまずまずでした。次にまた6番アイアン、これもミスなく170ヤードを打てて、残り距離が100ヤードちょい。その3打目でシャンクしてしまいまして……
 そこで心が折れてしまったと? あるあるですね。
 はい…さらに、気を取り直して「まだ次をグリーンに乗せられれば2パットでボギーだ」なんて考えつつ、4打目を打ったら、またシャンクです。そこからはボロボロで、次打がショートしてバンカー、そこから出した後に逆目でチャックリ、7打目でようやくグリーンに乗せて2パット。終わってみれば9つも叩いてしまったんです。
 それはキツイ! 結局、8オーバーで前半を終えたのですね。
 3打目のシャンクで気持ちが切れてしまいました。守りのつもりが、結果は9打……。どこから崩れたのでしょう?
 守ろうと決めたなら最悪のショットを想定して、そこを出発点にゴルフを組み立てるべきなのです。人それぞれパフォーマンスには“最高”と“最悪”があって、そのブレ幅も違いますけれど、大事な局面ほど最悪のショットを想定しつつ「このくらいならできるだろう」というショットをイメージして打つべきです。
たとえば「グリーンの“端っこ”にでも乗ればOK」という選択をしていれば、番手・打ち方・狙いが自然と“安全な選択”に寄っていきます。逆に「ここで寄せればまだパーがある!」と高望みをしてしまうと、負の連鎖が始まりがちです。
 そもそも、シャンクは連発しやすいのに、高望みしてしまいました。“端っこに乗せて2パットでもOK”と考えていれば、もっと気楽に打てて、連続シャンクなんて出なかったかもしれません。
 はい。最悪を想定するというのは、打つ前に“先に反省しておく”感覚です。「最悪だった未来の自分」が言いそうなこと「あの時パターで転がしておけば…」「番手を上げておけば…」を選ぶ。これが“守りの思考”です。