飛距離の数値だけ見てない? クラブ選びが劇的に変わる“計測器との付き合い方”

ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第220回

2025/12/05 ゴルフサプリ編集部 T島



弾道計測器が低価格化し、誰でもスイングデータを取れる時代。しかし「数字だけを追う練習」はむしろ遠回りになることもあります。今回は、ゴルフギアライターT島氏と大蔵ゴルフスタジオのクラブフィッター野倉氏が、“計測器の正しい選び方”“データとの付き合い方”を語りながら、アマチュアが本当に上達するための視点を分かりやすく解説します。

 T島さんのブログを拝見していると、弾道計測器もよくテストされていますよね。最近はかなり低価格になってきているようですが? お客様にも聞かれることがあるので気になっています。
 そうですね。昔は“飛距離の三要素”といわれる「ボール初速」「打ち出し角」「スピン量」が計測できるだけで、100万円近くしていたんですよ。今は10万円も出せば、最高級計測器とほぼ同じ項目が測れるモデルが手に入ります。
 自分で購入しようかな? というお客様も増えてきました。
 私の友人で、元酒屋だった人がいるんですが、使っていない店舗スペースを活用して、手軽な計測器を購入し、シミュレーションゴルフ的な環境を自作したんです。練習したり、ラウンドシミュレーションを楽しんだりしているみたいですよ。
 すごいですね! でも、かなりお値段しそうです。
 いろいろ工夫して40万円くらいで作れたそうです。防球ネット、スクリーン、プロジェクター、人工芝マット、そして計測器。ほぼインドア練習場ですね。日本はスペースの問題がありますが、アメリカではDIYで“SIMルーム”を作るゴルフオヤジがたくさんいるらしいです。
 ラプソードの計測器を使っているんですね。ラプソードMLM2PROが10万円弱で、サブスク契約もすれば使えるんですね。野球をやっていたので、ラプソードは馴染みがあります。
 そうみたいですね。野球の世界でも有名ですし、かなりコスパが良いと評判です。私は今、フライトスコープの“Mevo Gen2”という計測器をテストしています。こちらは約16万円。さらにプロパッケージとフェースインパクトロケーションという追加機能を購入すれば合計30万円ほどで、トラックマン並みのデータが取れます。設置も楽で、屋外・屋内どちらでも使える点が良いですね。
 トラックマン的データとは、具体的にどんなものですか?
 昔は打ち出されたボールのデータしか分からなかったんですが、今はクラブの軌道、フェースの動き、打点位置まで分かるんです。トラックマンの普及で計測器業界が一気に広がり、どんどんコストダウンされてきた流れですね。