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飛距離を出せるドライバーのスイングレッスン|注目の若手女子プロのテクニックを紹介!

2018/11/28 ゴルフトゥデイ 編集部

2017年のプロテスト合格者(LPGA第89期生)のうち半数以上を占めた1998~99年生まれ。いわゆる黄金世代のニューフェースたちが女子ツアーで大躍進中。ということで、うら若き乙女たちに飛距離を出せるドライバースイングのテクニックを聞いてみた。体格もパワーもアマチュアと変わらない彼女たちのドライバースイングの技はマネどころ満載!

ドライバーのスイングレッスン1:上体を深く回し下半身を止めずに振る

「体全体を使って打つ」が新垣の目指すスイング。ポイントはバックスイングの捻転。上体を深く回さないと手打ちになって飛ばず、安定感も欠くことになる。

【新垣比菜(ダイキン工業)】
1998年12月20日生まれ。165㎝。沖縄県出身。今季はQTランク45位からのツアー参戦ながらサイバーエージェントレディスで初優勝。早々にシードを確定させた。賞金ランク23位。

下半身が止まるとヒッカケやチーピンになりやすい

ドライバーの調子がいい時は、体全体でスイングできている感じがあります。そしてそうなるにはバックスイングが大事だと思います。

私の場合、バックスイングが浅くなると手打ちっぽくなってしまいます。回転が浅い分、手が先に出てしまうのだと思います。また、それと連動するように下半身が止まるので、左にヒッカケたりチーピンが出やすくもなるのです。

これと反対に、バックスイングで深く体を回せるとダウンスイングで手が先行しません。思いきって下半身から動かせるので、それがリードになって体全体で振れる。結果、フォ ローも大きくとれるので、しっかり振り切れます。私も毎回できるわけではありませんが、そこを目指すと結果もよくなると思います。

新垣比菜に学ぶドライバースイングのテクニック

《左肩はアゴの下まで回す》

バックスイングでは左肩がアゴの下に入るくらいを目安に上体を捻転。下半身で踏ん張って上下の捻転差を作る。

《体全体で打つのが理想です!》

目指しているのは体全体で打つこと。とりわけ、手が先行しないように心がけている。

【NG】バックスイングが浅いと手打ちになる

バックスイングで体の回転が不足するとダウンスイングで手が先に出て手打ちになる。

手打ちになると下半身が止まってヒッカケる。大きなフォローもとれないため飛ばなくなる。

《下半身を止めないで打つ》

切り返し以降スイングをリードするのは下半身。体重移動等は意識せず止めないようにしている。

ドライバーのスイングレッスン2:首の後ろから背中を意識"串カツ"になって回る

自分を"串カツ"に見立てて軸の安定を図るのが勝みなみ流。そのうえで、インパクトゾーンでヘッドがスピーディーに走るよう独自の工夫を取り入れている。

【勝みなみ(明治安田生命)】
1998年7月1日生まれ。157㎝。鹿児島県出身。アマチュア時代の2014年にバンテリンで日本女子ツアー最年少優勝。今季は「大王製紙エリエールレディスオープン」でプロ入り後初優勝した。賞金ランク9位。

ハーフウェイダウンからヘッドが右足前にきたところが大事

スイング全体としては、手首を使ったりクラブを引きつけたりせず、シンプルに体の回転で振っています。意識するところがあるとしたら、首の後ろから背中までのあたり。そこを軸に、自分が串カツになっているイメージで動いているんです。

大事にしているのは、ハーフウェイダウンからインパクトしてヘッドが左足の前にきたところまで。力が入り、ボールに力が伝わって、力が抜けていくこの過程でスムーズに動きたいので、ティアップしたボールの手前にボールがあると思って振ります。アドレスでヘッドをそこに置くのはそのためです。

手前のボールを打つ感じで振ったら、あとはクラブにまかせる。その方がヘッドが走るんです。

勝みなみに学ぶドライバースイングのテクニック

《串カツになった自分をイメージ》

首の後ろから背骨に沿って皮一枚のところを串が刺さっているイメージをもっている。

《スタンス幅の中で串カツを回す》

スタンスの幅の中で体を回すように心がける。ウェイトシフトもスタンスの幅の中で行なう。

「頭を動かさない」という意識はもたない。軸がしっかりしていれば頭が動いたとしても当たるし、真っすぐ飛ぶ。

《手前のボールを打つつもりで振る》

実際に打つボールの手前の地面にもう一つのボールを想定する。想定したボールを打つつもりで振るとヘッドが走る。

《インパクトゾーンが大事です!》

ハーフウェイダウンからヘッドが左足の前にくる範囲でスムーズに動ければOK。

《気持ちよく振るのが理想です!》

型にハメたり理想を追いすぎず、気持ちよく振れるスイングが今のベストと考えている。

ドライバーのスイングレッスン3:右肩が落ちないようにして高速回転で打つ

小祝のポイントは高速回転。ダウンスイングで右肩が落ちると速く回れず振り遅れるため、パワーを回転に生かすように動いている。

【小祝さくら(ニトリ)】
1998年4月15日生まれ。158㎝。北海 道出身。昨年のQTランクは9位。曲げないティショットを武器にブリヂストン2位タイ、ヤマハ5位タイなどの活躍。賞金ランク8位。

両足内側の範囲でスイングできると高速で回転できる

軸を中心にスムーズかつ速く回転するのが私の理想のスイングです。それにはダウンスイングで右肩が落ちないようにすること。自分では右サイドがゆるむと表現していますが、そうなると振り遅れて速く回れないんです。軸回転が安定していてミスも少ない韓国人選手のスイングはすごく参考になりますね。

また、両足内側の範囲で回れないとダウンスイングで右肩が下がりやすくなります。そのため、足の内側を意識してスイングすることも大事。具体的には、右足の内側を押し込むようにしながらクラブを下ろし、それ以降は左足内側で体重を受け止めるように振っていく。こうすると右肩が下がらず最後までゆるまずに振り抜けます。

小祝さくらに学ぶドライバースイングのテクニック

《両足の内側から力を抜かずに打つ》

(左)ダウンスイングでは右足内側、それ以降は左足内側で踏ん張りながら打つイメージが大事。(右)右サイドがゆるむのは両足の内側の範囲で回転できていないことも一因。

《ダウンスイングでは右足の内側を押し込む》

右足内側で押し込むイメージでダウンスイングすると、しっかり体重移動できて力がボールに伝わる。

《ゆるまず高速回転で打つのが理想です!》

しっかり保ったスイング軸を中心に、スムーズかつ速く回転することが理想。

【ココに注意】右肩が下がると回転がゆるんで振り遅れる

体の回転速度が落ちるのは右肩が下がって振り遅れるから。右肩が落とさないことが速く回るポイント。

ドライバーのスイングレッスン4:振り遅れないようにクラブを立てて下ろす

ヘッドの入射角と打点を安定させ、ミート重視でナチュラルドローを打つ吉川。ダウンスイングで右サイドが詰まらぬようクラブを立てて下ろす。

【吉川 桃(烏山城CC)】
1998年5月20日生まれ。156㎝。栃木県出身。今季はQTランク49位でツアーに参戦。ステップアップのパナソニックで2位、静ヒルズ森ビルでは4位に。

クラブを立てて下ろせると振り遅れがなくなり入射角も安定

私はダウンスイングでクラブが寝ないように気をつけています。クラブが寝ると右サイドのフトコロが狭くなって詰まるし、フェースローテーションも大きくなって打点が乱れるからです。

その点、クラブを立てて下ろせると、振り遅れがなくなり入射角も安定します。ポイントはグリップエンドをボールや地面に向けて下ろすこと。具体的には、みぞおちを下に向けるように心がけています。みぞおちが前を向くと、お尻が前に出て体が起きます。胸も開いて結果的にクラブが寝てしまうんです。

こうなってきた時は、“手打ち”の素振りをします。体は使わず手だけで振ると下に向かって振る感覚になり、クラブを立てて使えるようになるんです。

吉川 桃に学ぶドライバースイングのテクニック

《みぞおちを下に向けてダウンスイング》

ダウンスイングでみぞおちを下に向けるようにすればクラブを立てて下ろせます。

クラブを立てて下ろせると入射角と打点が安定。クラブが寝るとフェースローテーションが大きくなり打点がブレる。

ダウンスイングでグリップエンドが地面、もしくはボールを向くのが正しいタテ振りの目安。

《右サイドを詰まらせずに振るのが理想です!》

持ち球はドロー。右サイドが詰まるとシャフトが寝てヒッカケやプッシュの原因になるので避けたい。

《手打ちの練習で詰まりを解消》

右サイドが詰まってクラブが寝てしまう時は、手だけでボールを打つ練習をする。下半身を使わず腕と肩のターンだけで打つことにより、ダウンスイングでクラブを立てて下ろせるようになる。

ドライバーのスイングレッスン5:前傾角度をキープし体の正面でインパクト

吉本のドライバーは前傾角度をキープすることが最優先事項。前傾角度が崩れるとダウンスイングで体が開き、正面でインパクトできない。

【吉本ひかる(マイナビ)】
1999年2月25日生まれ。152㎝。滋賀県出身。昨年ステップアップで初優勝。Meijiカップで7位タイとなり注目を浴びた。今季はQTランク51位から参戦。

切り返しから急加速しないようトップを深くして間を作る

体の正面でボールをとらえるには、ダウンスイングで体が開かないようにすること。開く原因は上半身の前傾角度が崩れることなので、前傾キープが第一です。

でも、そのためにやっていることは背中を意識するくらい。背中に力を入れるのではなく意識するだけです。こうすると体主体で振れるメリットもあります。腕や手主体のオスイングはボールをすくい上げる動きが出るので、それを防げます。

基本的にはリズムが早くなって前傾を崩すことが多いので、切り返しから急加速しないこと。タイミングよく振れるように、トップを深くして間を作ることが大事だと思います。また、グリップをギュッと握らないことも大切。強く握ると力が入ってスムーズにトップにいけなくなるからです。

吉本ひかるに学ぶドライバースイングのテクニック

《前傾キープで体の開きを防ぐ》

(左)ダウンスイングで体が開くのは前傾角度が崩れるから。一番大事なのは前傾をキープすること。(中央)体の正面でボールをとらえ、リズムよくスイングすることが理想であり課題でもある。

《体の回転主体で打つ》

手を使ったり腕を振ろうとすると、アーリーリリースになってボールをすくい上げる動きが出やすい。

《背中を意識しています》

背中を意識すると前傾のキープに加え、体を主体にスイングできるようにります。

《相手の手を包むやさしさでグリップ》

強く握るプロが少ない中でも、さらに弱い方だと言う吉本。相手を手を包む握手の強さでグリップする。

GOLF TODAY本誌 No.554 20〜31ページより

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