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SRIXON(スリクソン) 今だから言える驚きのストーリー

【第18回】商品開発はドラマ!SRIXON(スリクソン)住友ゴム工業 SRIとゴルフ界の未来を切り開いていくニューブランドの誕生!

2022/07/07 ゴルフサプリ編集部

SRIXON,スリクソン

ゴルフメーカーの商品開発におけるドラマチックな業界裏話をメーカー勤務経験のフリーライター・嶋崎平人が語る連載企画。今回はSRIXONブランドが主役のストーリー。

GOLF TODAY本誌 No.601/70〜71ページより 写真/ゴルフトゥデイ編集部 取材・文/嶋崎平人

「DUNLOP」の商標が使えるのは、日本、台湾、韓国だけ。新ブランドの立ち上げが迫られていた!

松山英樹,SRIXON,スリクソン

日本人初のマスターズチャンピオンとなり、スリクソンの広告塔としてもそのブランドの価値をさらにアップしたと言える松山英樹

2021年のマスターズ優勝の松山英樹のキャップ正面には「SRIXON(スリクソン)」のロゴが輝いていた。
そして、そこにたどりつくまでのストーリーは平坦ではなかった。「SRIXON」ブランドの成り立ちについて、株式会社ダンロップスポーツマーケッティング企画本部広報部部長の浅妻肇氏にお話を伺った。

ダンロップスポーツマーケッティング企画本部広報部部長の浅妻肇氏

ダンロップスポーツマーケッティング企画本部広報部部長の浅妻肇氏

「SRIXON」ブランドの商標は住友ゴム工業株式会社が持っている。そのスポーツ部門「SRIXON」ブランドのゴルフ用品を開発・生産・販売している。松山英樹が使用しているゴルフボールのZ-STARやドライバーのZX7、キャディバッグなどを販売している。

住友ゴム工業が持っている2大ゴルフブランドとして、「XXIO(ゼクシオ)」と「SRIXON(スリクソン)」がある。現在「SRIXON」は世界戦略ブランドとしての位置づけである。
「SRIXON」ブランドの立ち上げは1996年、東南アジアで販売したゴルフボールが初めてである。商品は「SRIXON HI-BRID」であった。

住友ゴム工業のハウスブランドはダンロップ。世界展開するのであれば、「DUNLOP」ブランドの方が、グローバルで知られており有利のように思われる。
しかし、当時スポーツ用品の分類で「DUNLOP」の商標が使えるのは、日本、台湾、韓国だけで、新しいブランドを立ち上げる必要があった。
「SRIXON」ブランドに込められた意味は、ゴルフをこよなく愛する人たちとともに、ゴルフの未来を切り拓いていく理念をブランド名に掲げ、ブランドコンセプトにしている。
「SRI」: 住友ゴム工業(Sumitomo Rubber Industries)の頭文字、X:限りない、将来への夢、「ON」前進(going onwards)の組み合わせである。

SRIXON

SRIXONは当時スポーツ事業部にいてマーケット部門を担当していた、現住友ゴム工業顧問・伊井康高氏が発案とのこと。

商標は1993年に出願されている。当時スポーツ事業部にいてマーケット部門を担当していた、現住友ゴム工業顧問の伊井康高氏が発案したとのことである。

伊井康高氏「社内でこのブランドが出たとき、新しい世界ブランドが登場したと前向きにとらえられた。また社内では自社のことを「SRI」と呼んでいたので、ブランド名も違和感なく受けいれられた」

ボールからスタートし今や世界のプレーヤーが使用する世界的なブランドに大きく成長!

SRIXON HI-SPIN

SRIXON HI-SPIN

翌年の1997年米国で「SRIXON」ブランドのゴルフボール販売開始。1998年英国とヨーロッパでボール販売開始。米国でスリクソン・スポーツUSAを設立。

1999年には日本市場で初となる「SRIXON HI-SPIN」のボールを発売した。
「その当時、ある大手流通の関東地区店舗の副店長が競技でこのボールを使用し、その性能の良さに惚れ込み、全店展開してくれた。」
それが一つのきっかけで、日本でもブランドの認知が広がった。さらに、この年、海外の契約プロが「SRIXON」のボールを使用し、世界のプロゴルフツアーで15勝を挙げブランド価値・知名度があがってきた。

2000年ゴルフボールを世界27カ国で発売した。しかし、この年、住友ゴム工業で100億円以上売上げていた「キャロウェイ」ブランドの契約が終了し、社運をかけてこれに変わる新しいブランド「XXIO」立ち上げに注力しており、「SRIXON」ブランドは言ってみれば、継子扱いであった。

SRIXON,W-201,アイアンI,-201
ボールに続きドライバー、アイアンに始まって、今や総合的なブランドとしてゴルフ界をリードする製品が世界的に発売されている。

2001年ローラ・デービース、トーマス・ビヨンと総合契約。2002年には「SRIXON」ブランドのクラブ、ウッド「W-201」とアイアン「I-201」を発売した。
「201」の「2」は2002年を表し、「01」は開発番号である。現在のZXシリーズに繋がるグローバルで展開するクラブといえる。

前年の2001年に海外でプロが10勝を挙げブランドの認知がさらに広がり、クラブ発売の後押しとなった。
ブランドの認知をさらに広げるため、国内のプロのキャップもそれまで使われていた「New Breed」から「SRIXON」のロゴに切り替えた。

筆者も印象深いのは、2003年宮里藍がダンロップ・ミヤギテレビ杯でアマチュア優勝したときにかぶっていたバイザーのロゴは「SRIXON」であった。アマチュアでいろいろなメーカーの用具を試していた。
米国でもジム・フューリックが活躍しブランドの強化につながっていった。ダンロップ契約プロの使用ブランドは「SRIXON」に固定していった。
2004年宮里藍の活躍で女子プロブームが起こり、ダンロップ契約では横峯さくらがブランドを引っ張り、現在では米国で活躍する畑岡奈沙、国内では小祝さくら、勝みなみ、さらには安田祐香が「SRIXON」ブランドを引っ張っている。

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今年のマスターズでは、松山英樹、2019年全英オープン優勝のシェーン・ローリー、セップ・ストラカ、1987年優勝のラリー・マイズが「SRIXON」のキャップをかぶり、ブルックス・ケプカ、キャメロン・チャンプが「SRIXON」のギアを使って参戦していた。
「SRIXON」の存在感は世界ブランドとして自他ともに認める存在感であった。

2017年住友ゴム工業は「DUNLOP」ブランドの商標権を日本、韓国、台湾以外の他の地域で持っている英国の企業から買収した。
これで、「DUNLOP」を世界ブランドとして活用の道が開かれたが、「SRIXON」誕生から26年経過し、その存在感が増す中、「DUNLOP」ブランドの出番はなさそうである。 

住友ゴム工業の主力ブランド「XXIO」と「SRIXON」の売上比率は6:4でスポーツ事業の屋台骨を支えるブランドに成長した。このブランドにかかわった人々の努力の賜物である。


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