プロゴルファーのクラブセッティング|ゲーリー・ウッドランド
QPさんのじっくり見せて!!トッププロのクラブセッティング
国内外のトッププロたちがどんなクラブで戦っているのかを紹介する「QPさんのじっくり見せて!!トッププロのクラブセッティング」のコーナー。今回は、ゲーリー・ウッドランドのクラブセッティングを紹介する。
【解説:関 雅史】
1974年9月生まれ。PGA公認ティーチングプロA級、クラブフィッター。国際ゴルフビジネス学院卒業。「QPさん」の愛称でゴルフメディアなどでも活躍中。東京・駒込でゴルフスタジオ「ゴルフフィールズ」を主宰。
ゲーリー・ウッドランド|20年は開幕から絶好調!メジャー2勝目は近い?
米国ツアー4試合連続でトップ10
昨年10月に開幕した2019-20シーズンでは、「ザ・CJカップ」から年明けの「センチュリートーナメントオブチャンピオンズ」まで4試合連続のトップ10入りと好調をキープしている。
ゲーリー・ウッドランド
(米国)
1984年5月21日生まれ。185㎝、91㎏。2007年にプロ転向し、2011年にはPGAツアーで初優勝。元々、バスケットボール選手だった身体能力を武器に「全米オープン」ではケプカの大会3連覇を阻止して、メジャー初優勝を飾った。
飛距離と方向性を兼ね備えたパワー系のショットメーカー。部門別データを見ても平均飛距離322ヤード(7位)とパーオン率77.3%(14位)で好成績を残している。
マッスルバックと64度がゲーリー・ウッドランドをメジャー王者に導いた
メーカー4社の混合セットで大ブレーク!
ゲーリー・ウッドランドのクラブセッティングは、最近のPGAツアーのトレンドを象徴していると思います。
ドライバーは『G410シリーズ』、ウェッジはPWを含めた4本、そしてアイアンはマッスルバック。特にアイアンは、ここ1、2年で急にマッスルバックが増えました。
一時期、トップ選手でもハーフキャビティを使っていましたが、ここに来てマッスルバックに戻す選手が多いです。その理由は、スピン量の多さにあります。
体感として、マッスルバックはスピンが強い!だから、高速グリーンでもボールを止めやすい。そういう意味では高速グリーンに設定される4大メジャーでは有利になると思います。
元々、飛距離もショットの正確性もトップクラスだったゲーリー・ウッドランドですが、アプローチが弱点でした。
その克服に貢献したのが64度の『ミルドグラインドHI︲TOE』だと思います。このウェッジはロフトが大きくてやさしいので、フェースを開かずにバンカーやラフが打てます。
1メーカーの14本ではなく、自分の長所・短所に合わせて計4メーカーの混合セットにしたことで、自分のポテンシャルを最大限に発揮できるようになったと思います。
\ココがポイント/
- 3番アイアンからマッスルバック
- 64度だけ別メーカーのウェッジに
- ドライバーは9度でFWもローロフトに!
PGAツアー最多!
500万回再生の感動秘話
「全米オープン」の優勝で注目されたのがウッドランドとダウン症の大学生エイミーさんの感動秘話だった。「全米オープン」の4カ月前に開催された「フェニックスオープン」の練習ラウンドで一緒にプレーしたエイミーさんは、ウッドランドに応援されながら、果敢にプレーする姿が話題になった。「全米オープン」の放送や試合後のインタビューでもエイミーさんが話題になると、その動画が500万再生回数を突破し、PGAツアー最多記録を更新した。
ゲーリー・ウッドランドのクラブセッティング|大学1年生まではバスケットボール優先!
ドライバー:G410 LST(ピン)
●︎ロフト角/9度
●シャフト/アクラ ツアーZ RPG
通常の『G410プラス』よりスピン量を抑えて、強い弾道が打てる『G410LST』。ウッドランドはロフト9度を選択し、打球が上がりすぎないようにしている。
フェアウェイウッド:タイトリスト TS2(アクシネット)
●ロフト角/15、18度
●シャフト/ツアーAD DI-10X
2本のFWはともに『タイトリストTS2』。ロフト15度表記の3番ウッドは調整機能を使って、ロフト14度台に設定している。
アイアン:FGツアー V4(ウィルソン)/ウィルソンスタッフ モデルブレード (ウィルソン)
●番手/♯2-PW
●シャフト/KBSツアー C-Taper 130X
2番アイアンだけはソール幅の広い中空タイプだが、3番アイアンからPWは全てマッスルバックで統一している。
ウェッジ:タイトリスト SM7 (アクシネット)/ミルドグラインド HI-TOE (テーラーメイド)
●ロフト角/52度、58度、64度
●︎シャフト/KBS Hi-ReV 2.0 125X
52度と58度はPGAツアーで高い人気を誇る『SM7』。64度だけトゥ側が高いテーラーメイドの『ミルドグラインドHITOE』に。
パター:スコッティ キャメロン ニューポートプロト (アクシネット)
パターは王道とも言えるブレード型の『スコッティ・キャメロン』だが、グリップは『スーパーストローク』にしている。
取材トーナメント/ZOZO CHAMPIONSHIP
GOLF TODAY本誌 No.573 148〜149ページより
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