方向性に自信がない人に!上田桃子のドライバースイングを写真で解説
上田桃子の体重移動をしないで、上半身の捻転で生む「高弾道ドロー」
『結果にコミットする』で話題のライザップ・ゴルフ。今回は、チーフインストラクターの「斉藤 功」コーチが特別に、話題の女子プロゴルファーのドライバースイングを解析。独自のメソッドで「マネるべきポイント」をわかりやすく解説してくれた。
第三回目は、黄金世代やプラチナ世帯など、若手の選手が活躍する中、昨年度二勝をはたし、ベテランの実力をみせつけた『上田桃子』のドライバースイングを解析。
18年シーズンより飛距離アップし、順位も上げた平均飛距離は245.97ヤード。今なお進化し続け、勝ちにいく高弾道ドローを生むスイングには、マネるべきポイントがたくさんあった!
「下半身がまったくといっていいほど動かずに、上半身の動きだけで捻転差を生む安定感のあるスイング。ドライバーはもちろん、傾斜や難しいライなど、あらゆる場面で最適な動きができるでしょう」
「ポイントは、アドレスからトップまで、左のお尻の位置が変わっていないこと。上半身が動いているので、すごく体重移動をしているように見えますが、左のお尻の位置が変わらないのは、上半身のひねりだけで、捻転差をつくっていることの証拠です。おそらく上田選手の感覚としては、体重移動はしていないはず。“スイングをするうえで多少の移動が生まれている”、というイメージでしょう」
「下半身を動かしていないので、ダウンスイングからインパクトまでは、捻った上半身を戻すだけ。ここでも、左足にほとんどズレがありません。結果、飛距離だけでなく、曲がりも少ないショットが生まれるのです」
「パワーはあるが方向性に自信がない。馬力があるが、その力を使いこなせていない人は、下半身をブロックして上半身で捻転差をつくる、上田選手のスイングをマネしてみてはいかがでしょう」
上田桃子のドライバースイング|アドレス
左足を軸にしているので、一見、左6:右4くらいの半分に見えるが、重心は、体重移動や重心を移動させるために最適なセンターにある。
上田桃子のドライバースイング|テークバック
上半身と下半身の一体感を持ちながら回転動作を開始しているが、左足は動いていない。シャフトが地面と平行の時に、フェースの傾きが上半身の前傾角度とほぼ同じ角度になっている。
上田桃子のドライバースイング|バックスイング
左下半身を残す意識が強いからか、上半身が動くと、大きく体重移動しているように見えるが、左のお尻と左足はアドレス時からほとんどズレていない。
上田桃子のドライバースイング|トップ
アドレスからトップまで、左のお尻の位置が同じ。つまり、下半身による積極的な体重移動は行われていない。
体重が移動しているように見えるのは、上半身がしっかりと捻転しているから。肩を90度回転させると、頭の向きがは必然的に少し右を向くため、右に移動しているように見えるだけ。
肩は90度回り、ヒザの皿は正面、つまり0度を向いていて、腰は45度。ゴルフスイングの捻転差としては理想のカタチになっている。
上田桃子のドライバースイング|ダウンスイング
ダウンスイングの始動時、腕からではなく下半身から動いているが、一般的な選手と違い、右サイドへの体重移動が少ない分、右足のけりが小さい。
上田桃子のドライバースイング|インパクト
右ヒジがカラダの近くにあり、ボールを押せるカタチになっている。風に負けないショットが出る。左のお尻の位置も、アドレス時からほとんど変わっていない。
上田桃子のドライバースイング|フォロースイング
カラダの回転でクラブが振られていることがよくわかるフォローです。両腕がきれいに伸びており、クラブに遠心力が働いていることもよくわかります。
また、意図的にフェースを返そうという動きがないため、インパクトでロフト角が立って(少なくなって)しまうこともありません。上田選手の弾道が高くなる理由は、こうしたことも関係しているようです。
上田桃子のドライバースイング|フィニッシュ
最終的には、右足かかとはしっかり上がり、体重は右には残っていない。回転のパワーを最大限に使っている証拠。
グリップが右耳の横にしっかり収まっていて、カラダの正面は飛球線方向より左を向いている。
【上田桃子】
1986年6月15日生まれ。161cm。A型。熊本県出身。2019年度賞金ランク9位。ドライビングディスタンス245.97ヤード。かんぽ生命所属。
連続写真:資生堂 アネッサ レディスオープン(2019年)
連続写真撮影:相田克己
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