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【2021】女子プロのドライバーショットは上達の宝庫だ!!<PART2>飛ばせるドライバーのヒント

飛んで、曲がらない選手たちの連続写真をじっくり見られる【保存版】

2021/02/12 ゴルフサプリ編集部

畑岡奈紗や穴井詩、渋野日向子たち飛距離がよく出る女子プロのスイングには一つの共通点がある。それは「フィニッシュまでしっかり振り切る」ということ。振り切って飛ばすためのポイントを連続写真から学ぼう。

※2020年シーズンはドライバーの平均飛距離のデータとなるドライビングディスタンス部門は未公表。そのため2019年シーズンの同部門の上位選手をピックアップした。

GOLF TODAY本誌 No.584 48〜63ページより

〔飛ばせるスイング ヒント16〕バックスイングの重心移動で深い捻転を作る|畑岡奈紗

2019年米女子ツアー平均飛距離44位・畑岡奈紗(262.65yard)

①左右の体重移動を使うのもいいが、重心の前後移動を意識するとカラダの動きの効率がよくなる。②右足の重心の前後移動によって地面を思い切り蹴れる。

①バックスイングで右足の重心がカカトに移動
②右カカトで地面をしっかり踏み込むトップ
③インパクトでは右足の重心がツマ先に移動する

右足の重心移動を意識すると回転がスムーズになる

米女子ツアーでは40位台でも、国内ツアーではトップクラスの飛距離を誇る畑岡奈紗。その飛ばしの秘訣は捻転米女子ツアーでは40位台でも、国内ツアーではトップクラスの飛距離を誇る畑岡奈紗。その飛ばしの秘訣は捻転の深いトップです。アドレスでは両ツマ先をほぼ真正面に向けていますが、バックスイング中に右足の重心がカカト側に移動しています。

右カカトと左ツマ先に重心が乗って地面を踏みしめるようにするとバックスイングがスムーズで、深い捻転が作りやすい。この重心のかけ方が飛ばすための下準備となり、ダウンスイング以降では重心が右足はツマ先側に、左足はカカト側に自然に乗ってカラダの回転スピードを上げることができるのです。

[使用ドライバー]スリクソン Z785

畑岡奈紗 はたおか・なさ (アビームコンサルティング)

1999年1月13日生まれ、茨城県出身。158㎝。2016年に日本女子オープンでアマチュアとして史上初の優勝。同年にプロ転向し、17年から米ツアー参戦。米ツアー通算3勝。国内ツアーは日本女子オープンの3勝を含む通算5勝。

〔飛ばせるスイング ヒント17〕シャットフェースでボールを思いきり引っぱたく|穴井 詩

2019年ドライビングディスタンス1位・穴井 詩(260.67yard)

カラダの左サイドを思い切り回転させてボールをつかまえる。

①テークバックでフェースをシャットにあげる
②トップでフェースが空を向いている
③ダウンスイングで腰を素早く左にターン

シャットフェースとカラダの高速回転が見事にマッチング

穴井詩はバックスイングで思い切りシャットフェースに上げています。そしてトップでクラブヘッドが軽くループを描き、インサイドから振り下ろしてくる。

穴井のようにインパクトで右足を蹴り上げるとフェースが開いてしまう人が多いのですが、穴井はフェースをシャットに使っているので、カラダをフルスピードで回転していけるのです。

シャットフェースはカラダの回転が止まると、逆にボールがつかまりすぎて左に大きく曲がりやすいけれども、カラダをしっかり回転させることで飛んで曲がらない球が打てる。シャットフェースの利点を教えてくれるスイングだといえます。

[使用ドライバー]キャロウェイ エピックフラッシュ サブゼロ

穴井 詩 あない・らら(GOLF5)

1987年11月11日生まれ、愛知県出身。165㎝。2017年NEC軽井沢72ゴルフトーナメントなどツアー通算3勝。2020年はスタンレーレディス5位タイ。賞金ランキング36位。

〔飛ばせるスイング ヒント18〕カラダの伸び縮みを利用したアスレチックスイング|葭葉ルミ

2019年ドライビングディスタンス2位・葭葉ルミ(253.67yard)

ドラコン選手のようにカラダの伸び縮みを使ってヘッドスピードを上げる。

①カラダが伸び上がるようにバックスイング
②ダウンスイングでカラダが縮むように沈み込ませる
③もう一度伸び上がってヘッドを加速させる

ドラコン選手と共通の筋肉の伸展を生かしたスイング

カラダが伸び上がって縮んで、また伸び上がる。葭葉ルミはそんな表現がピッタリくるような、カラダの伸び縮みをうまく利用して飛ばすスイングです。

これはドラコンの選手たちと共通した動きで、「バックスイングでカラダの右サイドが伸びる→切り返しでカラダが縮んで一瞬沈み込む→インパクトでカラダの左サイドが伸びる」といった一連の動きでクラブヘッドをマックススピードで走らせるのです。筋肉の伸展を感じさせますし、とても躍動感のあるアスリート的なスイングです。

[使用ドライバー]オノフ KURO

※2020年時の使用ドライバーです。

葭葉ルミ よしば・るみ(富士住建)

1993年3月12日生まれ、東京都出身。162㎝。2016年ニッポンハムレディス優勝。2020年はNEC軽井沢72ゴルフトーナメント8位タイ。賞金ランキング45位。

〔飛ばせるスイング ヒント19〕カラダのナロースタンスで回転スピードを上げる|松田鈴英

2019年ドライビングディスタンス3位・松田鈴英(253.41yard)

スムーズなフットワーク&タテ型軌道で飛んで曲がらない球を打つ。

①長身選手の割にはスタンスが狭い
②クラブをタテに振り上げた高いトップ
③タテ型軌道だからインパクトゾーンが長い
④回転がスムーズだからフィニッシュも安定する

ヨコの動きとクラブのタテ軌道のミックスで飛ばす

松田鈴英はスタンスが狭くて、回転の力を強く使ったスイングです。スタンスが狭いと左右の動きが少ない反面、カラダの回転スピードを上げやすい。さらに長身の体型的長所を生かしてアップライトにスイングしています。タテ型の軌道で振ればインパクトゾーンが長くなり、タテ回転のスピンをかけやすくて曲がり幅を軽減できます。

切り返しで左足を踏み込むときもカラダの左へのスライドがなくて、フットワークがスムーズ。カラダのヨコ回転とタテの軌道がうまく融合させています。

[使用ドライバー]ブリヂストン TOUR B X

松田鈴英 まつだ・れい(ニトリ)

1998年1月24日生まれ、滋賀県出身。167㎝。2020年はNEC軽井沢72ゴルフトーナメント25位タイが最高成績。賞金ランキング85位。21年の巻き返しに期待。

〔飛ばせるスイング ヒント20〕軸を真っすぐキープしボールをヨコから払い打つ|テレサ・ルー

2019年ドライビングディスタンス5位・テレサ・ルー(251.51yard)

コマのようなスムーズな軸回転でシュアに飛ばす。

①カラダの軸がほとんど真っすぐのアドレス
②ダウンスイングで軸を右にも左にも傾けない
③どんなときもバランスのいいフィニッシュを決める

スイング中、軸が傾かないから入射角が安定

テレサ・ルーはボールを横から払い打つようなスイングで、とても効率のいいインパクトを実現しています。その秘訣はスイング中にカラダの軸が右にも左にも傾かないこと。アドレスで軸をなるべく真っすぐにキープし、コマのようにカラダをよどみなく回転させればミート率が向上するのです。

[使用ドライバー]キャロウェイ マーベリック サブゼロ

テレサ・ルー てれさ・るー(太陽生命)

1987年10月13日生まれ、台湾出身。164㎝。2015年日本女子プロなどツアー通算16勝の輝かしい実績を残す実力派プレーヤー。2020年の賞金ランキング46位。

〔飛ばせるスイングヒント21〕左手のリードでクラブを引っ張り下ろす|比嘉真美子

2019年ドライビングディスタンス8位・比嘉真美子(249.60yard)

①左手で思い切り引っ張る感じのダウンスイング
②カラダの左サイドでボールを思い切り叩く

比嘉真美子は右手もそうですが、左手を内側に絞り込むように握っておいてクラブを思い切り引っ張り下ろしています。カラダの左サイドでクラブを引っ張るからボールを思いきり叩けるという見本のようなスイング。左手を重視したい人の参考となるでしょう。

[使用ドライバー]ピン G410プラス

比嘉真美子 ひが・まみこ (TOYO TIRE)

1993年10月11日生まれ、沖縄県出身。161㎝。2019年のダイキンオーキッドレディスなどツアー通算5勝。20年の賞金ランキング20位。

〔飛ばせるスイング ヒント22〕右腕のタメとリリースでヘッドを加速|勝みなみ

2019年ドライビングディスタンス9位・勝みなみ(249.60yard)

インパクト以降のカラダの右サイドの高速回転で飛ばす。

①カラダの右サイドを思い切り回して深い捻転を作る
②右腕のリリースでクラブヘッドを一気に加速

タメておいた右腕をすっと伸ばしていくタイミングに注目

勝みなみのスイングは、インパクト以降のカラダの右サイドの回転がとても速いのが特長です。カラダの回転スピードでボールをしっかりつかまえて飛ばすタイプです。トップで深い捻転を作り、ダウンスイングで右腕をたわませてタメを生んでいます。そしてボールを打ち抜いていく瞬間、カラダの右サイドの回転と連動して右腕を一気に伸ばす。このリリースのタイミングが秀逸です。

[使用ドライバー]スリクソン Z785

勝みなみ かつ・みなみ (明治安田生命)

1998年7月1日生まれ、鹿児島県出身。157㎝。19年の中京テレビ・ブリヂストンレディスなどツアー通算3勝。20年は樋口久子・三菱レディス2位。賞金ランキング37位。

〔飛ばせるスイング ヒント23〕カラダがクラブに引っ張られるイメージ|藤田さいき

2019年ドライビングディスタンス11位・藤田さいき(248.39yard)

①バックスイングで腕を伸ばして大きな円弧を描く
②クラブがループしてからダウンスイング
③クラブに引っ張られるようなフォロースルー

スイング中、カラダがクラブに引っ張られたままというイメージのスイングです。藤田さいきのバックスイングは円弧が大きいですが、これはクラブの遠心力を利用しているから。ダウンスイング以降も能動的に振らないで、クラブの遠心力にまかせて振っています。

[使用ドライバー]キャロウェイ マーベリック MAX

藤田さいき ふじた・さいき (チェリーゴルフ)

1985年11月22日生まれ、栃木県出身。168㎝。2010年の日本女子プロなどツアー通算5勝。2020年はデサントレディース東海クラシック4位。賞金ランキング22位。

〔飛ばせるスイング ヒント24〕パワーの解放でインパクトはハンドアップ|渋野日向子

2019年ドライビングディスタンス12位・渋野日向子(248.21yard)

カラダの回転を止めないでフィニッシュまでしっかり振り切る

①アドレスの姿勢はハンドダウン
②リリースによってハンドアップのインパクトになる
③振り抜きがいいからフィニッシュのカラダの回転量が大きい

インパクトの直前でリリースが始まっている

カラダがうねるようなスイングで、筋肉の躍動感が印象的です。渋野日向子はハンドダウンのアドレスが特徴といわれますが、インパクトでは手元が浮いてハンドアップになっている点に注目してください。

これはカラダの回転スピードをマックスまで上げることで、クラブスピードを妨げないようにする意識からでしょう。右手首の角度が一番曲がっているのがアドレスで、インパクトの手前からリリースが始まるため、右手首が自然に伸びてハンドアップとなるのです。

[使用ドライバー]ピン G410プラス

渋野日向子 しぶの・ひなこ (サントリー)

1998年11月15日生まれ、岡山県出身。167㎝。19年は全英女子オーオープンに初出場で優勝するなど大ブレイク。2020年は海外を中心にプレー。国内ツアーはJLPGAツアー選手権リコー杯3位タイ。全米女子オープンでは優勝争いを演じ4位に。賞金ランキング35位。

◎スイング解説 石井 忍

いしい ・ しのぶ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日大ゴルフ部を経て98年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くのツアープロを指導。千葉、赤坂、神保町で『エースゴルフクラブ』を主宰し、アマチュアのレッスンも行なっている。

取材トーナメント/NEC軽井沢72ゴルフトーナメント、ニトリレディス、TOTOジャパンクラシック

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