【2021】女子プロのドライバーショットは上達の宝庫だ!!<PART3>曲がらないドライバーのヒント
飛んで、曲がらない選手たちの連続写真をじっくり見られる【保存版】
ドライバーは飛ばしが一番の醍醐味だが、曲がり幅を抑えてフェアウェイに正確に運ぶことも大切だ。フェアウェイキープ率上位の女子プロたちの連続写真から、フェアウェイを狙い打ちするためのヒントをゲットしよう。
〔曲がらない ヒント25〕軽く足踏みしながら振る感覚のスイング|酒井美紀
2020年フェアウェイキープ率1位・酒井美紀( 80.5714 %)
①スタンス幅を狭くしたアドレス
②軸を真っすぐ保ったままでカラダを回転
③フェースローテーションを抑えて打っている
④スタンスが狭いからフル回転できる
狭めのスタンスなら足踏みの感覚でクラブを振りやすい
酒井美紀はスタンス幅を狭くし、カラダの軸が正面からほとんど真っすぐに見える角度で構えているのが特徴です。狭いスタンスと真っすぐの軸のミックスで、コマのようなスムーズな軸回転を実現しています。結果的にフィニッシュまでフル回転できるので飛距離もよく出て曲がりにくいです。
狭いスタンスの利点は足踏みの感覚でスイングしやすいこと。右足を踏み込んでバックスイング、左足を踏み込んでダウンスイング。そんなイメージでクラブを振ればリズムやテンポが一定し、インパクトのタイミングが合いやすくなります。
[使用ドライバー]ダンロップ ゼクシオ エックス
酒井美紀 さかい・みき (国際スポーツ振興協会)
1991年5月24日生まれ、福島県出身。165㎝。2020年は伊藤園レディスで古江彩佳とのプレーオフに破れて惜しくも2位。賞金ランキング11位。ツアー通算2勝。
〔曲がらない ヒント26〕手首の稼動を抑えてカラダと腕を連動|木村彩子
2020年フェアウェイキープ率5位・木村彩子( 75.2381%)
①バックスイングで軸を真っすぐキープしている
②ダウンスイングのカラダと腕の連動感がとてもいい
③手首の稼動を抑えてインパクトを迎える
アドレス時の上腕と胸の位置関係をキープ
クラブにストレスをかけすぎない。自分の筋力に頼りすぎてもいないし、関節を必要以上に稼働もしていない。木村彩子のスイングはそんな印象です。カラダは小さいけれど、カラダの全体をうまく使ったバランスのいいスイングです。
アドレスの背骨の傾き角度をしっかりキープしていて、構えたときの上腕と胸の位置関係がスイング中もまったく変わりません。だからダウンブローすぎず、アッパーブローすぎず、正確なインパクトを迎えられるのです。曲がらないスイングのいい見本だと思います。
[使用ドライバー]キャロウェイ エピックフラッシュ サブゼロ
木村彩子 きむら・あやこ (富山常備薬グループ)
1995年11月2日生まれ、大阪府出身。155㎝。2020年は日本女子プロ2位、TOTOジャパンクラシック6位タイなど好成績を残し、賞金ランキング14位。21年は初優勝に期待。
〔曲がらない ヒント27〕クラブをインに引いてタテから下ろす|東浩子
2020年フェアウェイキープ率3位・東浩子( 77.1429% )
①テークバックでインサイドに低く引いている
②トップでクラブがループする
③ダウンスイングではクラブがタテに下りてくる
④左腰の素早い回転でインパクトの再現性を高めている
東浩子のスイングは個性的で、テークバックでインサイドに低く上げたクラブを、トップでループを描いてからタテに振り下ろしています。ダウンスイングで左腰を素早く切ることでクラブヘッドの軌道や入射角を整えて、ボールを正確にとらえています。
[使用ドライバー]ダンロップ ゼクシオイレブン
東 浩子 あずま・ひろこ(加賀電子)
1992年5月1日生まれ、岡山県出身。156㎝。2020年はデサントレディース東海クラシックで優勝争いの末に2位。賞金ランキング44位。
〔曲がらない ヒント28〕手元をアドレスの位置に戻してインパクト|稲見萌寧
2020年フェアウェイキープ率10位・稲見萌寧( 73.1429%)
①右の骨盤を回してクラブを上げている
②手元をあまり浮かせないでインパクトする
稲見萌寧は右骨盤の回転でボールを打っているという感じのスイングです。インパクトで手元をあまり上げないで、インパクトの位置にぐっと戻してボールを打っているのが特徴といえます。飛距離よりは方向性重視型で、フェードっぽいスイングのように見受けます。
[使用ドライバー]キャロウェイ マーベリック サブゼロ
稲見萌寧 いなみ・もね(都筑電気)
1999年7月29日生まれ、東京都出身。166㎝。2020年はスタンレーレディスでツアー2勝目をあげるなど活躍。賞金ランキングは12位。
〔曲がらない ヒント29〕右足だけでも立てるような安定感のあるトップ|青木瀬令奈
2020年フェアウェイキープ率6位・青木瀬令奈(75.2381% )
①左足がなくても安定して立てる感じのトップ
②高いトップからの引力利用で下ろしてくる
トップに注目してください。ここで左脚を取ってしまうとバランスを崩して倒れてしまいやすいのですが、青木の場合は左足がなくても立っていられるような安定感が見えます。結果的にクラブにストレスをかけず、インパクトへと振り下ろせるのです。
[使用ドライバー]ダンロップ ゼクシオ エックス
青木瀬令奈 あおき・せれな (マツシマホールディングス)
1993年2月8日生まれ、群馬県出身。153㎝。2017年ヨネックスレディス優勝。2020年は日本女子プロ9位タイ。賞金ランキング52位。
〔曲がらない ヒント30〕カラダの近くで腕を振るから軌道がブレない|吉本ひかる
2020年フェアウェイキープ率7位T・吉本ひかる(75.0000%)
①ダウンスイングで腕をカラダの近くにキープ
②腕をカラダに引きつけて振るからミート率が高い
カラダの回転スピードで飛ばすタイプのスイング。重いものを両ワキにかかえて持ち、遠くに放り投げるというイメージです。
インパクトまでは両ヒジを軽く曲げたままで、両腕をカラダの近くで振っているところに吉本ひかるなりの球を曲げない工夫が見えます。
[使用ドライバー]ミズノ プロ モデルS
吉本ひかる よしもと・ひかる(マイナビ)
1999年2月25日生まれ、滋賀県出身。152㎝。2020年は伊藤園レディス8位タイ。賞金ランキング68位。畑岡奈紗が中心の「黄金世代」の1人。
〔曲がらない ヒント31〕右肩を下げずに適度のアッパー軌道で打つ|安田佑香
2020年フェアウェイキープ率11位・安田佑香(72.6190%)
①トップの左肩が地面に対してほぼ平行
②右肩を下げすぎず適度のアッパー軌道で打つ
アドレスの軸の傾き角度をインパクトで再現
とてもバランスのいいスイングです。切り返しのときに背中が見えすぎるとカラダが倒れやすいのですが、安田佑香のトップは左肩の位置が水平で、ダウンスイングでもカラダの軸の角度をキープしています。
ドライバーはアッパーブローに打つといいますが、ダウンスイングでカラダの軸が右に傾きすぎるとクラブヘッドが下から入って様々なミスが生じます。安田のように右肩を水平に保つイメージを持つことで右肩の下がりすぎを防ぎ、適正のアッパー軌道でとらえやすくなります。
[使用ドライバー]スリクソン Z785
安田佑香 やすだ・ゆうか(NEC)
2000年12月24日生まれ、兵庫県出身。163㎝。アマチュア時代に多くの実績を残すも、ツアーデビューの2020年は頸椎挫傷に苦しみTOTOジャパンクラシック14位タイがベストフィニッシュ。賞金ランキング56位。21年シーズンに期待。
◎スイング解説 石井 忍
いしい ・ しのぶ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日大ゴルフ部を経て98年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くのツアープロを指導。千葉、赤坂、神保町で『エースゴルフクラブ』を主宰し、アマチュアのレッスンも行なっている。
取材トーナメント/NEC軽井沢72ゴルフトーナメント、ニトリレディス、TOTOジャパンクラシック
【2021】女子プロのドライバーショットは上達の宝庫だ!!
●<PART1>ランク上位選手のドライバーテク
●<PART2>飛ばせるドライバーのヒント
●<PART3>曲がらないドライバーのヒント