昔ながらの方法でフックやスライスを打つからトラブルになる

例えば林に打ち込んでしまい、打ちたい方向に木があるスタイミーな状況になった時に、木の右や左に打ち出してスライスやフックをかけることがあると思います。そんな状況で正面の木にボールを当てるアマチュアの方をよく見かけますが、そんなか方のほとんどは、構えた時にクラブフェースが木の方を向いています。さすがに木にフェースを正対させる人は少ないですが、多かれ少なかれ、木にかかる方向に向けているケースが多いのです。

こうなるのはテクニックにジェネレーションギャップがあるせいかもしれません。というのも、インテンショナルにボールを曲げたい時は、ボールを打ち出したい方を向いて構え、フェースはボールを落としたいところに向ける、と教えられていたから。一定の年齢以上の方は、その教えをやり続けていて、そのために出球が木の方向に飛び、運悪く当たってさらなるトラブルを招いてしまうことがあるのです。

左がインテンショナルフック、右がインテンショナルスライスを打つ場合の昔の構え方。振り出す方向を向いて立ち、フェースを目標方向(写真左はボール、写真右はゴムティが目標方向)に向ける誤った方法。

1999年にDプレーン理論が提唱されると、ボールの打ち出し方向はフェースの向きに依存し、曲がり方はインパクト時のフェース向きとスイング軌道(クラブパス)の差によって決まることが明らかになり、今ではすっかり定着しました。このシチュエーションでフックを打つとしたら、木に当たらないよう、フェースは木よりも右に向けることが大前提になります。

また、曲がり方はフェース向きとスイング軌道のギャップで決まりますから、軌道に対してフェースが閉じていればフックが打てることになります。例えの数字で言うなら、昔は30度右に打ち出してフックを打ちたければ、フェースを目標に向けて右30度の方向に振りましたが、今は木の右30度の方向に振るとしたら、その軌道に対して5~10度フェースをかぶせる感じで打つと、出球が30度よりちょっと左に出て目標方向にフックする。打ち出し方向を向いて構え、そこでフェースをちょっと閉じて打つ感じになったわけです。

Dプレーン理論にのっとった構え方。打ち出したい方向を向いて立ち、そのスイング軌道に対して5~10度フェースを閉じたり開いたりする。

ちなみにボールの曲がり幅はヘッドスピードによっても変わります。ヘッドスピードが速いほど大きくなるので、どんなふうに振るかでも差が出てきます。また、スライスとフックではスライスの方が曲がり幅の方が大きくなるので注意が必要です。いずれにせよ昔のやり方ではうまくいきませんから、フェースの向きとスイング軌道の関係を正しく理解して臨むことが重要です。

インテンショナルにボールを曲げたい時のポイントは、フェース向きとスイング軌道の間にギャップを作ること。スライスを打つ場合は写真のようにフェースが開くぶん曲がりが大きくなる。

勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。