ピンのクラブ作りの哲学を体現するアイアン

7月に発売されたピンのニューアイアン「G740」が売れている。発売以来、GDOゴルフショップで売上ランキング上位に入り続け、9月11日時点では、ニューモデルアイアン部門でランキング1位となっている。

「G740」のロフト角は7番で28度。飛び系アイアンの中でも激飛びに分類しても良いくらいのストロングロフトになっている。また、ヘッドカラーにも特徴がある。アイアンの場合通常モデルはシルバーで、別注で黒いヘッドが選べるというのが一般的だが「G740」は黒一択となっている。

黒いヘッドはシルバーのヘッドに比べて小さく見える。だから集中しやすいと感じる人もいるけれど「小さく見えて不安」と感じる人の方が多いだろう。ところが「G740」は元々のサイズが大きいので、黒いことが大きさ感じさせずに、構えやすさを生んでいる。そんな視覚効果も狙ったカラーリングのように思える。さらに、「G440」シリーズのウッドのヘッドカラーと見事にマッチングすることも、意図されているようだ。

「PUREFLEXバッチ」をキャビティ内に装着。不快な振動を抑え、心地良い打感が得られる(画像左)。偏肉構造で反発力を高める「VFTフェース」が高いボール初速を生み、飛距離を伸ばす(画像右)。
V字状ソール「デュアル・キャンバーソール」が傾斜やラフでも抜けの良さを発揮する。
ピンG740
●ヘッド素材/17-4ステンレス ●7Iロフト/28度 ●シャフト/AWT 3.0 LITE(R、S)、N.S.PRO 950GH neo(S)、他 ●価格/1本(5~9I、PW、UW、50°、56°):3万1900円~、5本セット(6~9I、PW):15万9500円~

2番手違う飛びが3番手違うやさしさになる!
人気No.1アイアンの実力を試打で検証

「G740」の試打はコースで実施。プロが普段使用するアイアンとの比較で飛距離の差を検証。

「ストロングロフトなので、当然ですが、とにかく飛びます」テスターが普段使用している軟鉄鍛造アイアンは7番でロフト31度。これと比較して「G740」は2番手飛んでいた。ロフトの差は1番手なのに対して、フェースの弾きでボール初速が上がり、ロフトと初速ふたつの効果で2番手飛距離が出るとの評価だ。

「スイートエリアがすごく広く、どこに当たっても初速も落ちず、球が上がって飛距離が落ちません。V字ソールでヘッドの抜けがいいことも、飛距離が落ちないことに貢献していると感じます」

2番手飛ぶと言われるアイアンは、ストロングロフトで長さも長くなっていて、スペックは5番なのに番手表示が7番になっていることもあるが「G740」は長くなっていない。だから打ちやすさは変わらずに飛距離が出るところが大きなメリットだ。今まで7番で打っていた距離を9番で狙える。アマチュアにとってこのメリットは2番手以上のやさしさにつながる。

ピンのクラブ開発には「クラブの機能でアマチュアゴルファーのミスを減らす、カバーする」という哲学がある。「G740」はその哲学を体現する機能性を持ったアイアンだった。

高橋良明

(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。ツアーにチャレンジする傍ら、多くのゴルフメディアでクラブの試打を行って来たベテランテスター。DSPEゴルフスタジオ、ヘッドコーチ。