日本で"アメリカンなコース"が増えないのはなぜ?時代の変化とともに生き残り続けるゴルフ場の裏表

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第68回

2023/05/13 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典



ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

写真提供/篠原嗣典

「ゴルフ人口増加には、ゴルフ場の変革が不可欠である!」という主張は、バブルが弾けゴルファーが激減して以降、何百回も耳にしました。

ゴルフコースは、お客様が来るのを待つビジネスモデルです。立地条件が良ければ、ただそれだけでも十分にビジネスは成り立ちます。地方などでは、そういう地域密着のビジネスで生き残ったコースがたくさんあります。

しかし、全国のゴルフコースの約半分が集中していてゴルファーの6割以上が住んでいるとされる東京を中心とした関東では、そんなコースは一握りです。自宅から100キロ以上離れているのは当たり前で、車で片道2時間以内なら許容範囲というエリアに、7割を越えるコースがあるのです。

待つだけではそれらのコースは次々に経営破綻して、山河に戻る運命でした。