ダウンスイングで捻転MAXが理想! ボールを打つ瞬間に最速スピードを出せる金谷拓実のドライバースイング解説
一流プロのドライバーのマネどころ

2024年、日本ツアーの賞金王になった金谷拓実。PGAツアーのQTを突破して、今季からPGAツアーに参戦しており、4月10日〜13日に開催される「マスターズ2025」での活躍にも期待したい。そんな金谷の武器はショートゲームと2年連続トータルドライビング1位になったドライバー(※トータルドライビングは平均飛距離とフェアウェイキープ率の合計)。日本で最も飛んで曲がらない男のスイングを分析してみた。
GOLF TODAY本誌 No.634 12~15ぺージより
金谷選手は腕や手首はほとんど使わずに、体の動きとパワーで飛ばすタイプ。インパクト前後(写真09、10)はフェース面を変えないように金槌やトンカチで叩くような姿勢でボールを打っています。昔の選手で言えば杉原輝雄さんに似ていますが、金谷選手は見た目以上に体幹が鍛えられていて体のパワーがあるので飛距離を出すことができるのです。
体で飛ばすためには捻転がカギです。捻転というのは下半身と上半身のネジれ差のこと。アマチュアゴルファーのほとんどはトップで捻転をMAXにしようとしていますが、金谷選手の捻転がMAXになるのは切り返した後です。トップでは下半身も上半身も右を向いています。しかし、切り返した後はヒザがアドレスのポジションに戻っているのに腕が高い位置にあり、胸は右を向いています。このタイミングで捻転がMAXになっています。ダウンスイングで捻転がMAXになることで、インパクトまでゆるむことなく、ボールを打つ瞬間に最速スピードを出せるのです。
一方、アマチュアはトップで最大限に捻転してしまっているので、ダウンスイングの途中では解かれてしまって、インパクトでは減速しがちです。アーリーリリースになるのはほとんどこのタイプです。
切り返しで最大限に捻転するためにはしっかり地面を踏むことがポイントです。上半身や腕が先に動いてしまうと捻転差がなくなってしまう。金谷選手は下半身リードで強く地面を踏むことによって、下半身はアドレスポジションに戻っているのに上半身はクラブが上にある状態をキープできています。金谷選手のように「下半身から上半身」の順番に力を入れることによって、切り返しで捻転が大きくなります。