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「ボールをつかまえたい」なら、ボールを“タテに曲げる”フェースターンが不可欠

ベン・ホーガンを先生に!森プロが解説する『アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方』【第19回】

2024/02/25 ゴルフサプリ編集部

アイアンショット

「ロフトを立てる」と「ダウンブロー」にはフェースターンの動きが不可欠、と森プロ。「スクエアなインパクトは結果であって、そのためにフェースの動きを抑えるのはNG」ホーガン流のヘッドの動きから改めて考えてみよう。

GOLF TODAY本誌 No.620 51〜55ページより
イラスト/久我修一 取材協力/東京ゴルフスタジオ
取材・構成・文/戸川 景 撮影/圓岡紀夫

フェースターンを抑えると当たり負けて曲がる

グリーン狙いは“タテに曲げる”イメージで臨む

ショットの精度で他のプロを圧倒した全盛期のホーガン。バックスイングからダウンスイングまでフェースはほぼ開きっぱなしだったが、弾道は安定していた。

森プロ 「フェースをボールに向けている時間が長いほど真っすぐ打てる、というのは誤解です。ただボールを打面で弾くだけのインパクトでは、フェース向きが目標より数度ズレただけで、打球は大きく外れてしまいます。

ポイントは、ボールが潰れてフェースに食いついている間に、いかにタテの回転(バックスピン)をかけるか。この工夫でスライス、フックではなくストレートに近いフェード、ドローをコントロールできるようになります」と森プロ。

インパクトでボールはロフトなりにフェース面をせり上がるが、フェースターンを加えないと当たり負けて右サイドに外してしまいやすい。“タテに曲げる”つかまえるターンが不可欠だ。

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打球は外側に滑りやすい

適正なフェースターン

適正なフェースターンでつかまえないと、当たり負けてボールとの接触時間が短くなり、打球はトゥ側に滑りやすくなる。

抑えたフェースターン

フェースターンを抑えるとトゥダウン現象も強まり、トゥ下打点になりがち。プッシュや巻き込むようなフックのミスが出やすくなる。

打球の“タテ回転”

スイングプレーンがアップライトでもフラットでも、インパクトゾーンでヘッドが真っすぐに動くことはない。弾道の安定性はヘッド軌道よりも、打球の“タテ回転”をイメージするほうがベターだ。

ごまかしスクエアになる重心アングル+トゥダウン

ターンを抑えるほどブレる「トゥダウン」

トゥダウン

森プロ 「遠心力でヘッド重心に引っぱられて、シャフトがタテにしなるのがトゥダウン現象ですが、フェースターンを抑える=ヘッド軌道にフェース面をスクエアに合わせる時間が長いほど顕著になります。

つかまりが悪くなる要素であり、シャフトに負荷がかかるため打点のズレに弱く、弾道がブレやすくなります」

ヘッドが走るとつかまる「重心アングル」

森プロ 「ヘッドをリリースすると、遠心力でヘッド重心が手元から最も遠ざかろうとするためフェースが被ります。そのため、重心深度が深い=重心アングルが大きいほど、フック傾向が強くなるのが自然です。フェースターンを抑えて逃がすのはさじ加減が難しく、ライ角の調整やトゥダウンとの兼ね合いでつかまり過ぎを抑制しているプロもいます」

  • ヘッド重心

    ヘッド重心(赤丸)は、インパクトでシャフト軸の延長線上に来る。

  • 重心深度が深い

    ロフトが大きい=重心深度が深いほどフェースの被りは大きくなる。

本当につかまるフェースの動かし方は?

【正しい打面の回し方】「タテ回転をかける」フェースターンが正解

フェースターンの動き

【インパクト直前はオープンで打面スクエア】

フェースを開いた状態でも、トゥ側が上がっていれば実際の打面の向きは目標を指す。

フェースターンの動きを促すほうが、実質的なスクエアをキープできることになる。

ボールを押し潰す動きが強いタテ回転を生み出す

ボールを押し潰す動き

森プロ 「フェースターンすると、フェースが開く+トゥが上がったインパクト直前から、フェースが閉じる+トゥが下がるインパクト直後まで、ロフトが立ちながらボールを実質的なスクエア面で潰して、タテ回転を強くかけること(左)ができます。ヒール下寄り打点からセンター上、もしくはセンター経由でヒール上寄りにボールがせり上がるイメージ(右)で正解です」

「立てて当てる」ではなく「立てながらつかまえる」

NG(1)

スクエアキープ

【スクエアキープ】

森プロ 「ハンドファーストを意識して捕えても、スクエアをキープしようとしてフェースを返さないフォローではタテ回転は安定してかかりません」

NG(2)

ハンドファースト

【ハンドファースト】

森プロ 「ロフトを立てて当てようとハンドファーストでフォローまで押し込んでも、やはりタテ回転はかかりません。弾道が低くなり、飛ばなくなります」

ヒザ立ちでスイング

(写真1)ヒザ立ちでスイングすると、開いたフェースを立ててボールをつかまえるイメージがつかみやすい。

(写真4)開いたフェースにボールを乗せてから、フェースターンで目標方向に飛ばすイメージで押し込んでいく。

“タテ回転をかける”意識

ただトゥ側をひっくり返すような動きをイメージするのはダメ。打球に“タテ回転をかける”意識が大切。

スピンの安定は鋭角に入れずフェースターン

ホーガンといえばダウンブロー、というイメージも強いが、極端に上から入れるイメージはマイナスになる、と森プロ。

森プロ 「ホーガンのダウンブローは、実は入射角が緩やか。ハンドファーストのインパクトとスピンの利いた低弾道から、上から打ち込んでいるイメージになったのかもしれませんが、ショートアイアンでもボール位置が左足寄りにあることからも、上から打ち込むスイングではありません。むしろレベルブローに近いでしょう。

打ち出し角やスピン量といった、弾道を安定させる要素としては、シャローなヘッド軌道のほうがベター。それでいて強いバックスピンで強弾道にできたのは、適正なフェースターンを実行していたからです」

フェースターンの動きは“抜けの良さ”にも影響するという。次回はヘッドをスムーズに押し込むターンを考察してみよう。

Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)

アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

ホーガンアナリスト 森 守洋

森 守洋

ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。


【アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方】
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