噂を信じちゃいけないよ！「試打クラブは特別飛ぶ」「○○が使ってるのが良い」がクラブ選びを失敗させる

ゴルファーの間でたまに聞かれる「試打クラブは特別飛ぶように作られている」などといった噂。まさか本当じゃないよね？と言いつつも、もしかして？なんて思っちゃうこともありますよね。今回は、そんな噂をゴルフライターT島と大蔵ゴルフスタジオのクラブフィッター・ダイナマン（野倉くん）が語り合います。

根も歯もないウワサを信じてるゴルファー、けっこう多いですよね

野倉　T島さんアイアンのシャフトは決まりましたか？
T島　まだ241CBアイアンが手元に届いてないの。241CB、人気らしい。
野倉　楽しみですね。そういえば、フェアウェイウッドも新調したんですって？
T島　テーラーメイド、ステルスグローレフェアウェイウッドの5Wを買いました。
野倉　ボールが上がりやすいと評判良いですね。
T島　チタンヘッドなんだよ。マークダウンしているから中古でも安かった。こんなに安くていいの？って感じです。
野倉　純正シャフトのまま使っているんですか？
T島　40g台と軽いんだけど、リシャフトが間に合わなくて。でも、コースで打ったらかなり良かったのですわ。でも、さすがに軽いのでリシャフトすると思うけど。
野倉　あるあるですね。それにしても、純正シャフトのクオリティって上がっていませんか？

T島　上がっていると思うよ。例えば、グローレの純正シャフトは、SPEEDER NX for TM。ターゲットユーザーにピッタリな、ボールを持ち上げてくれるシャフトです。
野倉　純正シャフトについてですが、テーラーメイドに限らず、お客様から『SPEEDER NX for〇〇とかVENTUS for〇〇とか書いてあるけど、市販のシャフトのどれに当たりますか？』と聞かれることがあります。
T島　どれにも当たらないのですよ。
野倉　コスメもほぼ同じで色が違うだけだから、お客様がそんなふうに誤解されるのはわかるんですけどね。
T島　そうだね。クオリティは確かに上がっていますけど、そもそもシャフトメーカーの主力商品を純正シャフトとしてそのまま採用することはできないです。コストが違うし。
野倉　はい。そう説明すると驚かれる方が多いです。
T島　以前もこの連載で説明しているんだけどね。もちろんカスタムシャフトは、メーカーがシャフトだけ販売しているものと同じですよ。
野倉　それも『実は同じじゃないんでしょ？』と聞かれたことがあります（笑）
T島　もはや都市伝説だよね。最近では『試打クラブは特別に作られている』ということを言う人もいるよね。 そんなわけないだろ〜、メーカーに何のプラスにもならんし、そもそも試打クラブってかなりの量を作るからねぇ。
野倉　今日は都市伝説の話ですね。
T島　こういった都市伝説みたいな噂って、実はけっこう危険なんだよね。同じような話でさ『〇〇の方が良いんですか？』という聞き方をする人って多いじゃない？例えば、先日ダイナマン（野倉）が使っているのと同じパターを買ったんですよ。
野倉　オデッセイ　「AI-ONE CRUISER JAILBIRD」ですね。
T島　そうそう。中古で36インチにカットされていたから、安かったので衝動買いしたの。そのパターでラウンドしていた日に、たまたま調子が良かったの。そうしたら『長いほうがいいんですか？』と言われたんだよね。
野倉　あ〜、あるあるですね。
T島　長くて重いパターは、ヘッドをゆっくり動かしやすいというメリットがあリます。
野倉　確かにメリットはありますね。オートマチックに打てる。
T島　でも、長さが変わると、アドレスが大きく変わるし距離感も変わります。
野倉　馴れが必要ですね。ヘッドがゆっくり動かせるから高速グリーンでは良いんですけど、重いグリーンには向いてないと感じています。
T島　よく飛んでいたり、よく入っていたりしている人のスペックを見て『そっちのほうがいいの？』と考えるのは危険ということなのですよね。どんなものにもメリットがあればデメリットがあるんです。

野倉　話は変わりますが、T島さんは36インチか33インチ、どっちかのパターしか持ってないという話を聞いたんですけど。
T島　基本的に33インチなんだけど、まっすぐ転がそうとして、近くでボールを見たくて、ボールに近づきすぎてしまうことがあったので、近くに立てないように36インチを使うこともあるんです。パターのスペシャリストからのアドバイスです。プロの言うことを聞きましょう。
野倉　面白いですね。今、お客様でも短くて重めのドライバーシャフトにしたい！というリクエストが多いんです。
T島　YouTubeの影響かな？ドライバーが苦手な人や初心者の方にはすごく有効だよね。あと飛ぶけど曲がる人。
野倉　そうですね。米ツアーの選手の多くは45インチ以下だったりしますね。
T島　自分で飛ばせるしね。短いクラブは振り遅れにくい、当てやすい、振り切りやすいというメリットがある。平均飛距離が上る人も多い。
野倉　そうですね。かなりメリットがあると思います。
T島　でもゴルフ歴が長くて、ヘッドスピードが速くなくて、でもドライバーが得意な人だと、リシャフトしてまで変えるメリットはないかな？と思ったりする。
野倉　今はカチャカチャっと自分でシャフトを取り替えられるので、試してみてもいいですよね。
T島　うん。工房さんには申し訳ないけど、目一杯短く持って打つって手もあるし。シャフトを変えると馴れが必要だから危険もある。
野倉　ラウンド中にT島さんがカチャカチャとシャフト変えるって市川さんが言ってました。
T島　まあインプレ書かないといけないからね、コンペの時は変えないけど。普通に変えますよ。
野倉　これも“馴れ“なんですか？
T島　そうだね。僕にとってはそれが普通なのだけど、とても驚かれます。でも軽くして長くしたほうが飛ぶというのは、当てはまる人が少ないと思います。
野倉　物理的には正しいけど、実際にメリットを活かせないということですよね。
T島　知り合いのお医者さんが言ってたけど『毒にならないものは薬として効かない』と言うわけです。適量だと薬として効果があるけど、過剰に接種すると害になる。それと同じです。効果＝メリット、副作用＝デメリットがあります。
野倉　そうですねよね。物理的現象ですから。軽く長くしたらミート率が下がるので飛ばない。
T島　そう。それで“全て良くなる”ということはない。フィッティングしても練習しないと上手くならない。でも練習しなくてもそこそこ打てるのはフィッティングかも。
野倉　T島さん微妙なとこ攻めてきましたね（汗）
T島　残念ながら、それはしかたない。何かを変えたらそれで全てが救われる訳じゃないと思います。ミニドライバーが飛んで曲がらないから最高！　もちろん普通の長さのドライバーを上手く打てなかった人は、良いことばっかりかもしれません。でも全てのゴルファーには当てはまらない。
野倉　リッキー・ファウラーが復活する時に使ったパターだからといって、誰にも合うわけじゃない。
T島　そうなんだけど、ゴルファーは欲しくなって中古でプレミアが付く。中古は需要と供給のバランスの世界なので価格予測できます。
野倉　まるっきりメリット無いわけじゃなところが難しいですね。
T島　根拠はあるんだから。薬としての効果はあります。ダイナマンは山本リンダって知ってる？
野倉　名前だけは・・
T島　どうにもとまらない　って曲があるんですけど、歌い出しが“噂を信じちゃいけないよ“って
野倉　聞いたことあります。たぶん。
T島　火のないところに煙は立たないと言うのも正しい。根拠はあるわけですよ。でもそれだけで、“サイコー”みたいにはなりません。要注意です。無駄なお金と無駄なスコアを生むかも？
野倉　そうですね。
T島　噂が気になる方は大蔵ゴルフスタジオに相談下さい。メリット・デメリットをキッチリ説明します。
野倉　フィッターって“かかりつけ医”みたいなもんですかね。
T島　そうだと思うよ。キッチリ説明して下さいね。

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T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な（笑）、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。

大蔵ゴルフスタジオ

上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。

取材協力／大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所：〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間：11:00〜19:00
定休日：毎週月曜日
TEL：03-6413-9272
https://www.ogs-p.jp/