飛ぶ・カンタン・止まり方が計算できる。3拍子揃った進化系ぶっ飛びアイアン「プロギア 03 アイアン」を試打！
プロギアから2025年5月16日に発売されるプロギア 03 アイアンをコースで試打。
“ただ飛ばすだけでは、PRGRアイアンとは呼べない。その先のターゲットへ、高弾道で狙え。”というコピーの通り、飛ばせて狙えるアイアンなのかを確かめた。
ぶっ飛び系アイアンに足りなかった部分が丁寧に埋められた気配り十分な仕上がり
2022年に発売された前モデルの03 アイアンを大きく進化させた2025年版 03 アイアンの7番アイアンのロフトは26度。プロギアが誇るプロギアアイアンシリーズの新しいぶっ飛び系アイアンである。
余計な装飾はなく、中空構造とキャビティ構造の良いところだけを融合させたようなシンプルで美しいアイアンだ。見た目だけで購入を決めたくなるカッコ良さがある。
「Over Cavity Design」は、「CNCミルド加工」で精密に作られたラケットのようなネックと外周だけのヘッドに、フェースとバックフェースを複合構造として合体させる際に、バックフェース外周に重量を最適化するようにつけた内枠形状のパーツである。
シンプルに見えて、実は、詳細な重量にこだわって作られているのだ。
それらのテクノロジーが、深い重心をキープしつつ、低重心とセンター重心を可能にした。
フェースも、フェースの上部は薄く軽くして、下部は厚く重くしてある。フェース裏の溝の本数と配置を最低化した「番手別バックフェースグルーブ」を採用したことと合わさって、反発性能の向上、低重心化と打感向上も一気に達成したようだ。
03 アイアンで最も興味深かったのは、見える部分で、通なゴルファーを喜ばせる工夫があることだ。ソールの前後の面取カットなどは大胆でいて繊細。抜けの良さをイメージさせるし、ウェッジが徐々に（PW、AW、GW）ヘッド長が短くなるところなども、アプローチ用のウェッジとの繋がりを良くして、使いやすさを強調している。
03 アイアンは、シンプルなヘッドに今できることを全て詰め込んだアイアンだ。ぶっ飛び系アイアンは、まだまだ進化する余地のあるカテゴリーだからこそ、打つのが楽しみになる。
試打クラブは6番〜9番、PW、AW、GW。シャフトは、Diamana M FOR PRGR のSRフレックス。試打した日は、気温-1℃〜11℃で、微風。
ボールは打ち慣れていてクラブだけの影響に集中出来る『TOUR B X』を使用した。
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高く強い弾道で飛距離が出るが、本格派な心地良い打感がイイ！
『03 アイアン』を使用してラウンドし、わかったことを挙げる。
打音打感
音量はちょうど良い、濡れた鞭系と硬質のミックスで残響もキレイな音。
打ち応えはやわらかく、重さもあり。手応えはやや鈍感だが、芯感は素晴らしい。。
弾道スピン
高弾道で強く無駄がない弾道。曲がりには敏感。
スピンはまあまあの効きで、止める計算ができる。
飛距離
一般的なロフトのアイアンと比べて2番手アップ。
番手間に無理がないように上手くできている。
03 アイアンは、スッキリしたデザイン、広めのソール、カッコ良くて、安心感もあるクラブだ。実際にコースで打ってみると、ぶっ飛び系アイアンとして完成度が高く、使っていて気分が良くなるアイアンとして仕上がっているのだ。
ちょっと面白かったのは、プロギアアイアンシリーズで感じさせる共通の“ただやさしいだけではない”という感じが、より強くなったことだ。
03 アイアンは、フェースの左右に当たるミスショットに、同じようなアイアンと比較しても群を抜いて強みを発揮する。ミスした分、打ち出しは影響を受けるが、最終的な飛距離はちゃんと出るのだ。これはかなり強烈な特徴であるが、プラスにするには、打ち手の腕前を要するのだ。
大きなミスでもしっかり飛距離が出ると、曲がってOBとか、グリーンサイドの林に入ったり、大叩きになる。ミスの範囲が小さければグリーンサイドで済む。つまりは、打ち手の腕前次第で機能の効きが違ってくるというわけだ。
腕に自信があるオールドゴルファーや、パワー不足で悩んでいるけれど方向性に自信があるゴルファーに03 アイアンはオススメである。
スコアアップできるように、打ちやすく、狙いやすく、止まりを計算しやすくなっている。
ツアーアイアンのロフトより2番手アップのぶっ飛び系アイアンは、飛びに特化して、意外に打ちにくかったり、球が上がらなかったりしがちであるが、『03 アイアン』は、とにかく楽にボールが上がるし、振りやすさも、抜けの良さも一流品の仕上がりである。
完成度の高さの根源は、ボールの高さだと03 アイアンは教えてくれる。
03 アイアンの試打ラウンド中、気持ちが良いなぁ、と何度も思った。
振りやすく、結果が出て、打感も良いというバランスの良さが、スコアに結び付いたからだ。アイアンを使用して得られる快感は、狙い通りにボールが止まった瞬間に生まれる。そういうシーンが何度もあったのである。
2番手アップの魅力。難しすぎない魅力。計算しやすい魅力。僕の中で「03」は、その三つの魅力がキレイな三角になるアイアンだったのである。
取材・文／篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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