アマチュアゴルファーでもプロレベルのバックスピンを体験できる
盛夏の伊豆にらやまCCで実施されたシークレット試打ラウンドでは「MG5」ウェッジの全ソールタイプと各種ロフトのバウンス違いを持ち込み、3人のテスターが9ホールをラウンド。グリーン周りで徹底的に「MG5」ウェッジのスピンのかかり方や、ソールの抜け感、ソールグラインドの違い、そして打感を試打検証し、ホールアウト後にインプレッションや使用感を語り合った。
石井 さて、スピンが本当にすごいかかりますね。
野村 試打ラウンド前のレクチャーで、“エグいスピン”という「MG5」ウェッジのキャッチを聞いて、“エグいコピー”だなと思っていましたが、そのコピー通りにエグいスピンが効いていました。どのソールグラインドで打っても、のきなみスピンがかかっていましたね。
小倉 かかりますね〜。新品とかノーメッキとか、試打条件の良さを差し引いても、グリーン周りから打てばもれなくギュッとグリーンを噛んでくれました。ボールがワンピン手前に止まっちゃっても、満更じゃない感じで「あれ~、止まっちゃったよ!」なんて笑いながら言えるほどです。
石井 アマチュアの方は、アプローチでボールがピタッと止まったり、キュキュッと戻ったら、すごい喜びますよね。エンジョイ派が多数なアマチュアの方たちが、プロレベルの止まり方を体験できたり、突っ込んだのにバックスピンでグリーンを出ちゃったりしても、それはそれで武勇伝的な話のネタになって楽しいでしょうね。そして、このスピンの効きの強さに慣れれば、ベタピン・寄せワンの確率が上がって、アプローチをより楽しめますね。
小倉勇人(おぐら・はやと)元ゴルフ雑誌編集者のスイング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。
野村 一時期そういうウェッジがありましたよね。それで溝に規制がかかったりしたわけですが。
石井 そうそう。でも「MG5」ウェッジは新しいテクノロジーが導入されて、その規制の中でもスピンがかかるようになった。アマチュアゴルファーがそれを享受できるって、すごく楽しいことだと思うんです。ボールが止まることを本気で怒る人なんていないでしょうからね。8~9割の人がスピンがかかるウェッジに替えたらゴルフってこんなに変わるんだ、と思えるならこんなに嬉しいことはない。スピン性能について「MG5」ウェッジはそれをやってくれていると思います。
小倉 フェースのミーリングや溝の作りが影響していると思いますが、低い球でスピンがかかるのは本当にプロっぽくて楽しかったですね。
石井 スピンがかかるのは言うまでもないですが、僕的にはノーメッキでボールがフェースに乗っている感じがあるのもすごく良かったです。ウェッジはライバルメーカーからもたくさん出ていますが、プロの要望を反映させると、どうしても似たような作りになりがちです。ですが、「MG5」ウェッジには技術的にも仕上がりにも、そうした“似たような”といった部分が感じられません。フェースの乗り感とかスピンの入り方はかなり秀逸だと思いました。
スピン性能の向上は、新開発のミルドカッターの導入によって従来よりも鋭く刻まれたグルーブ。そして、フェース面に一筆書きのように精緻に施したレーザーミーリング「スピン・トレッド・デザイン」によるものだ。鋭いグルーブとフェースのミーリング、2つの相乗効果でインパクト時のボールとの接触面が増えるとともに、フェースとボールの間の水分や細かな芝や土を効率よく逃がしてくれる。これによりノーマルコンディションはもちろん、ウェットコンディションでも高いスピン性能を発揮、安定したパフォーマンスを実現できるようになった。
また「ショートゲームは打感で差がつく」というテーラーメイドの考えにのっとり、「MG5」ウェッジは、軟鉄鍛造ならではのソフトな打感にこだわり抜いた。石井の言う「ボールがフェースに乗る感じ」はまさにそれで、インパクトの瞬間のフィードバックを一層確かなものにしているのだろう。
「MG5」ウェッジのソールグラインド ラインナップ
ソールグラインドは、PGAツアー出場経験があり、その道45年以上で歴代の「MG」シリーズを手がけているクラフトマン、グレッグ・“シーザー”・シザリオが監修している。世界中のトッププレーヤーの声をもとに施されたグラインドが、スイングやコンディションに応じて最良のパフォーマンスを引き出してくれる。
このソールグラインドに対する感想も含めて、引き続き石井良介、小倉勇人、野村タケオ、テスター3人のインプレッションを紹介していく。と、その前に、まずは限定モデルも含めた6種類のソールグラインドをご覧いただきたい。見た目に、明らかな特徴の違いがあることがよくわかってもらえるはずだ。
SB/シーンを選ばないオールラウンドモデル
SX/ワイドソール形状でバンカー等どんなライからもやさしさを発揮(限定モデル)
HB/ダフリに強く抜けの良さがやさしさを演出
LB/操作性が高く、フェースを開いて打ちたいテクニックを生かせる
SC/寛容性を持ちながらフェースの開閉にも対応(限定モデル)
TW/タイガー・ウッズ仕様のグラインドパターン(限定モデル)
「MG5」ウェッジは使い手を選ばない、どんなシチュエーションにも対応するウェッジ
小倉 「MG5」ウェッジはソールグラインドのバリエーションが豊富になりました。このことによって、さらに使い手を選ばないというか、あらゆるゴルファーが使えるウェッジになった印象です。
やさしさを求めるなら「HB」「SX」のようなワイドなソールグラインドを選べばいいし、テクニックを生かしたいなら「SC」「LB」、それに「TW」から自分に合ったものを選べます。
野村 ソールグラインドで言うと、僕は新しい「SX」が良かったです。僕は基本的にフェースを開かずスクエアに構えて打つことが多いですが、それでもスピンがしっかり入るし打感も良かったですね。
小倉 「MG5」ウェッジではソールグラインドの「SC」と「SX」の間に「SB」というグラインドがありますが、自分が打ってみて気持ちよかったのは「SC」でした。58度の「SC」はバウンスが9度で、いわゆるローバウンスなのですが、従来のソール(ローバウンス)よりも刺さりづらく、スルッと抜けてくれる感じがあってソールが跳ねません。そのあたりは設計の妙なのか、良いグラインドだなと思いました。ずっとウェッジはハイバウンスを好んで使ってきましたが、「MG5」ウェッジの「SC」だったらローバウンスも使ってみたくなりました。
石井 「LB」の56度と58度はバウンスが8度で、小倉さんが気に入った「SC」の58度と同様にバウンスが小さめですが、これらもやさしく感じました。グラインドとバウンス設定が、よく噛み合っていますよね。
野村 それは僕も感じました。基本的にはバウンス少なめは選ばないタイプなのですが、「LB」のようにフェースを開いて使いやすいグラインドでも使い勝手が良かったです。お二人が言う、やさしい、は扱いやすいという意味合いも強そうですね。
石井 そうですね。小倉さんが言うようにローバウンスだけど、難しさを感じさせないやさしさがありつつ、扱いやすくてテクニックを生かしやすいというニュアンスですね。
小倉 「SX」と「HB」はミスに強いソールグラインドですよね。特に「SX」は汎用性が高くて、初中級者から上級者まで幅広く好まれるソールグラインドだと思います。
石井 ところで、僕は「MG4」ウェッジの「TW」を使っているのですが、今日打った「MG5」の「TW」は、僕が持っている「MG4」とほぼ同じ感覚で打てました。これは、すごくありがたかったし、驚きました。打感がより良くなっていたり、スピンがよりかかりやすくなっていたり。長所が伸びているのに、自分のお気に入りで、アプローチの技術を養っているものと同じものを、新品で用意してもらえたようなものですからね。
小倉 確かに、今回用意してもらった試打クラブのソールをソールグラインド別にマジマジと見てましたが、仕上がりが均一で、いわゆる個体差を感じさせませんよね。
野村 それはミルドの精度が高いということですよね。
石井 見た目からもソールグラインドの均一感、精緻な作り(削り)を感じさせますし、試打ラウンド中に同じモデル・スペックの違う個体を使ってみましたが、アプローチの再現性が高い、個体差を感じさせませんでした。
野村 見た目にうるさいプロに、個体差を感じさせないというのはすごいですね。
「MG5」なら自分の打ち方に合わせたウェッジセッティングが組める
では、実際に「MG5」ウェッジでセットを組むとしたらどんなウェッジセッティングになるのか。テスター3人にイメージしてもらおう。
石井 僕は50、56、60度。これはシンプルに、今現在この組み合わせだからです。50度は「SB」、56度は「TW」を選んで、60度は「LB」が打ちやすかったので、最終的に「TW」と「LB」を打ち比べて決めると思います。
僕はPWと52度の距離があまり得意じゃなく、かといって52度で転がすこともないので、52度と50度を両方打ってみて、フルショット用には50度だと思いました。それから、僕は50度と52度で、あまり距離が変わらないのですが、「MG5」ウェッジだとちゃんと飛距離の差が出てくれて、重心高とかすごく考えて作られているなと思いました。フェアウェイから100ヤードくらいを50度で打ったら、すごい勢いでボールが戻って、ちょっと上手くなった気がしました(笑) あの感じ(スピン)は気持ち良かったです。
ちなみに、僕のPWは44度で、6度ピッチでウェッジセッティングを考えています。
小倉 では、僕もPWが44度だと仮定して考えてみますね。44度だと、やはり40度台後半のロフトが欲しくなるので、自分なら48度を入れて52、56度という感じですかね。56度のソールグラインドは、「SC」を選びます。
野村 僕も自分のアイアンのつながりから考えると、PWが44度なのでまず48度が欲しいです。その後に52度と、それから58度ですね。58度はソールグラインドが5種類ラインナップされているから、その中から「SX」を選ぼうかな。
石井 バリエーションが豊富だから、理想的なウェッジセッティングが組めますね。
競技志向のプレーヤーにとっては有効な武器になり、エンジョイ派ゴルファーにはスコアアップのみならず、ゴルフの楽しみや優越感を与えてくれそうな「MG5」ウェッジ。ソールグラインド、ロフトのバリエーションが豊富なので、石井良介が言うように一人ひとりが最良のウェッジセッティングを組むことができる点も、“エグいスピン”と同じくらい大きな魅力だ。







