バンカーから脱出できない原因は“技術”だけではない

T島 最近、バンカーからうまく脱出できないという悩みをよく相談されます。

金子 T島さんは、「練習してください!」と答えると思います。

T島 さすが……よくご存じです。私が初心者の頃は、「バンカー練習場がある練習場にお弁当を持って行け!」と言われました。お腹が空くくらい練習しろ、という意味です。

金子 と言いつつ、ちゃんと答えるんでしょう? まず、バンカーから脱出しやすいウェッジは何ですか?

T島 まずは、なぜ出ないのかを冷静に把握してください、と言います。大抵の方は、高さよりも距離が出せなくて脱出できていません。特に女性の方ですね。まず脱出したいなら、58度以上のウェッジはやめたほうがいいと思います。

金子 飛距離が出ないからですね。バンカー専用に60度を入れたいと相談を受けることがあります。「ロフトが多いと飛ばないぶん、思い切り振れると同伴者に言われました」という感じです。

T島 思い切り振れるなら、58度でも56度でも脱出できます(笑)。まずはミスの原因をはっきりさせましょう。ミスのパターンはいろいろあります。

金子 その1、ヘッドが深く入りすぎる→飛ばない。
その2、直接打ってしまう→飛びすぎる。
その3、手前に入りすぎてヘッドが跳ねてトップ→飛びすぎる、または高さが足りない。

T島 金子さんの分析、完璧です。うまく出せない原因はその3つ。その2は脱出できるので、そこまで悪くありません。60度で解決できるミスは、その2くらいなんです。飛ばないですからね。

ロフトより先にシャフトとソールを見直したい

T島 大切なポイントは、まずシャフトじゃないですか?

金子 狙ったところにヘッドを入れられるウェッジ、ということですよね。

T島 そうです。もちろんヘッド形状もありますが、まずシャフト選びが大切です。

金子 そうですね。シャフトの重さ、硬さ、特性が大切です。あと女性や非力な方は、ヘッドが落ちてしまって狙ったところに入れられないことがあります。そうした場合、ヘッド重量を吟味したり、長さを短くしたりする工夫が必要です。

T島 つまり、バンカーで脱出しやすいウェッジは、アプローチもしやすいということですよね?

金子 そうですね。意図通りヘッドを入れやすいということですから。

T島 やっとロフトの話ができますが、バンカーが苦手なら58度以上はやめておけ、というのは、シャフトが合っていてもやっぱりボールを飛ばしにくいからです。

金子 アプローチでも、ロフトが多いとボールとのコンタクトが難しくなります。56度、54度のほうが使いやすく感じる場合が多いと思います。

T島 あと、フェースを開く・開かない問題ですかね。今は開かなくても大丈夫なウェッジが人気です。

金子 そうですね。フェースを開くことでソールのバウンス角が増えるので、プロは必要があれば開いて使っています。ただ、アマチュアの多くは「フェースを開く?」と感じています。開かなくても機能するウェッジが人気です。

T島 大蔵ゴルフスタジオで人気なのが、BALDOの「STRONG LUCK」ウェッジですね。フィッターも密かに使っているとか?

金子 T島さん、「STRONG LUCK」ウェッジの試打クラブをコースで使ってどうでしたか?

T島 これはラクでしたね。バンカーも開かなくても出ます。ただ、私は開いて打ちたいので開いて打ちましたが、どちらでも大丈夫でした。それよりアプローチがラク。あと装着されていた日本シャフトのモーダスウェッジ115がめちゃくちゃ合っていて、同じところにしか打痕がつかない。ウェッジのシャフトを全部替えたくなりましたよ。

金子 それはよかったです。フェースを開くのが苦手な人は、ソール幅が広めで最初からバウンスが多くついているモデルがおすすめですね。ボーケイシリーズならKソールとか。

T島 ただし、タイトリストの「ボーケイウェッジSM」シリーズは人気ですが、ヘッドが重いと感じる人も多いかもしれません。ボーケイでも日本のゴルファー向けのボーケイフォージドシリーズなら、ヘッドを軽くしています。

金子 弊社では全スペック試打をご用意しています。ロフトもソールも選び放題です。

ウェッジこそフィッティングで差が出る

T島 あと、ウェッジでめちゃくちゃ大事なことがあります。どんなにピッタリなシャフトでも、ソールでも、ライ角が自分に合っていないと性能を発揮してくれません。

金子 ライ角は、ロフト角が大きくなればなるほど球筋に影響してきます。パターやドライバーはそこまで影響しませんが、アイアン、そして一番影響が出るのがウェッジです。せっかく購入しても、ここを押さえておかないともったいないです。

T島 ウェッジって、ロフトが大きいからボールも上がるし、飛ばさなくていいからやさしいイメージがありますが、とても奥が深いんです。ウェッジこそフィッティングしてほしい。

金子 アプローチやバンカーが苦手な人は、中古を取っ替え引っ替えするより、しっかりフィッティングして作ったほうが結果的に安上がりかもしれませんよ。

T島 わたくしに言っているのか? というくらい刺さりました……。

金子 T島さんはウェッジマニアなので、たくさん持っていますよね?

T島 でもBALDOのウェッジ、よかったなぁ。

金子 ウェッジこそ、しっかりシャフトを選んで、ヘッド形状、ソール形状、長さを決めて、ライ角をビシッと合わせると、バンカー脱出だけでなくアプローチも劇的に変わると思います。スコアアップの鍵はウェッジかもしれませんよ。

T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。

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