「え、軟鉄じゃないんですか?」(内海)

2026年モデルの「HONMA WEDGE」最大の特徴は、HMSS(Honma Soft Stainless)という独自のソフトステンレス素材をノーメッキで採用したことだ。

ノーメッキの軟鉄ウェッジは、打感がよくスピン性能も高い一方、手入れに手間がかかり、消耗も早い。「HONMA WEDGE」は、この2つのハードルを一気に乗り越え、錆びの不安を解消。長期間にわたって安定したスピン性能を発揮するという。

気になるのはステンレス特有の硬い打感だが、ポンポンとボールを打つ内海は、まったく気にかけていない様子。そこで「そのヘッド、ステンレスなんですよ」と声をかけた。

すると内海は、「えっ、そうなんですか! 気づきませんでした」と驚いた表情を見せた。

「ステンレスというと、“カツン!”とした硬さがありますが、これは軟鉄のようにフェースにボールが吸い付く打感です。打ち心地については、まったく問題ありません」(内海)

TEAM HONMAによるテストでも高く評価されたという、“軟鉄に近いやわらかなフィーリング”に偽りはないようだ。

バウンスのラインアップも特筆すべき点だ。昨今のウェッジはソールグラインドの多様化が著しいが、それだけにモデル選びが難しくなっている。

そこでHONMAは、アプローチウェッジ(以下AW)とサンドウェッジ(以下SW)では8度と16度、ロブウェッジ(以下LW)では4度と16度というように、バウンスを2種類に絞り込んだ。バウンスの違いを明確に体感でき、選びやすくするための設定だ。

これについて内海は、次のように語る。

ハイバウンスモデルはミスを帳消しにしてくれる“超お助けウェッジ”

「バウンス角によって性能や弾道に大きな違いがあるので、フィットするゴルファーがはっきり分かれると思います。ハイバウンスについては、ロフト58度と50度のバウンス16度を打ちましたが、どちらもソールの滑りが抜群にいい。かなり手前からダフらせてもヘッドが前に進み、ほぼ完璧にミスをカバーしてくれます。

アマチュアの中には、自覚がなくてもダフリ気味にヘッドが入り、インパクトでロフトが寝て、ボールがポコンと上がって飛距離をロスしている人がたくさんいます。

そんな人がバウンス16度を使えば、ヘッドが地面に潜りすぎず、ボールがフェースに乗ってロフト通りの距離を飛んでくれます。ウェッジの飛距離が安定しない人は、ロフトを問わず16度のハイバウンスモデルを使った方がいい。ミスを帳消しにしてくれる“超お助けウェッジ”です」(内海)

では、ロウバウンスモデルについてはどうなのか。

「ロウバウンスは、ロフト58度のバウンス4度と、50度のバウンス8度を打ちました。どちらも地面から受ける反発が少ないため、ソールが邪魔をせず、シャープに振り抜けます。

入射角が安定していて、ボールに対してクリーンにコンタクトしたい上級者向けのウェッジという印象です。

バウンスが少ないぶん、ややダフリ気味にヘッドを入れると、ボールの下にヘッドが入り込んでロフトが寝るため、球がフワッと上がって距離を抑えられます。

ロフト58度以上のモデルなら、そうした寄せ方もできます。自分でロフトをコントロールできる技術がある人にはもってこいで、このウェッジの高い操作性を生かせるでしょう」(内海)

AW、SW、LWの役割をより明確にするソールグラインド

ソールグラインドは、Iソール、Cソール、Sソールの3種類を適材適所に振り分けている。

シリーズはロフトによって、AWが46~52度、SWが54~56度、LWが58~62度に大別されるが、ソールグラインドによって、それぞれの役割がさらに明確になっている。

「AWに採用されているIソールは、オーソドックスな削り方です。アイアンからの流れをくんでいて、構えたときに非常にスクエア感が出ます。

とりわけバウンス16度は効果が大きく、安心感とお助け性能を両立したソールです。

SWの54度、56度と、LWの58~62度に採用されているCソールは、ソール後方やネック側のバウンスを落とし、丸みを持たせた形状です。

フェースを開いてもバウンスが邪魔をせず、スクエアに構えてもソールの恩恵を受けられる。プロや上級者が好むソールです。

Sソールは、バウンス角の恩恵を最大限に受けられる形状です。ソールの丸みが強く、どんなライでもソールが滑り、ロフト通りに当たりやすくしてくれます。ショートゲーム全般が苦手なアマチュアには、イチ推しのソールです」(内海)

AWは、見た目にもわかりやすいセミキャビティ構造になっている。これは、アイアンからの流れを考えて専用設計されたものだ。

フェースの溝もアイアンと同じ仕様で、フルショットした際にも、飛んだり飛ばなかったりすることが少なく、安定した距離性能を発揮する。

シャフトも全モデルでアイアンからの流れを考慮し、105グラム帯の「N.S.PRO MODUS³ WEDGE 105」と「N.S.PRO 950GH neo」を標準設定している。自然な重量フローによって、番手間で違和感が生じにくい。

アマチュアが打ってこそ際立つ、やさしさとスピン性能

続いて紹介するのは、アマチュアゴルファーによる試打インプレッションだ。

試打を担当したのは、ゴルフトゥデイが主催する名物イベント「アイアンマンカップ」の出場者。アイアンだけで27ホールを歩いてラウンドした後にもかかわらず、元気いっぱいに試打へ臨んでくれた、アイアンには一家言ある猛者たちだ。

「最初に打ったのは58度のバウンス4度です。当たり方によって打感が少し硬く感じましたが、気になるほどではありません。スピンがしっかりかかり、打球の高さもイメージ通りでした。46度はバウンス8度と16度の両方を打ちましたが、ソールの削り方がいいのか、フルショットからアプローチまで使える万能タイプでした。PWの代わりにいいと思います」

そう語るのは、平均スコア84の仲村成昭さん(68・下写真右)。

平均スコア89の黒野浩太郎さん(63・上写真左)も、「ロフト通りに飛び、イメージしたところへ打てます」と笑顔を見せた。

「ステンレスだと聞いてから見るとヘッドの質感から、なるほどと思えますが、インパクトでフェースに球がくっついている感じは、軟鉄と変わりません」(黒野さん)

二人をはじめ、打感に違和感があると答えた人はゼロ。「素材がステンレスなのは、言われないとわからない」というコメントばかりだった。

同様に、「スピンがよく入るので、ピンをデッドに狙えそう」という意見も多かった。AWやLWで打ったボールがビタビタと止まる光景は、まるでプロのアプローチのようだった。

「どのウェッジも見た目に安心感があり、構えやすい」と評したのは、2020年の日本デフゴルフ選手権優勝者で、2025年の東京デフリンピックにも出場したトップアマの袖山哲朗さん(38・下写真)。

「46度と58度を打ちましたが、どちらも方向を合わせやすく、アドレスがピタッと決まりました。バウンス16度は本当にダフリにくく、ロウバウンスはフェースを開いても使いやすい。僕はクラブフィッティングを受けたことがないので、やってみたくなりました。デフリンピックでメダルを狙えるかもしれませんから」(袖山さん)

バウンスについては、ハイバウンスとロウバウンスの2種類に絞られているため、「選ぶ際に迷わなくていい」という声も多く聞かれた。そのぶんフィッティングもしやすいというわけだ。

袖山さんと同様に、「ハイバウンスは本当にダフらない」と目を丸くする人も多かった。ロフト46度のAWに対する評価が高かったのも、このシリーズならではだ。

アイアンからの流れを考えて作られているためか、「球が上がりすぎないので、フルショットしたときの距離が合いやすい」「低い球も打ちやすい」と、多くのアイアンマンが安定感と操作性の高さを実感した。

プロとアマチュアの意見を総合すると、“やさしさ”と“スピン性能”という2つのワードにたどり着く。

打ったボールの高さと距離が揃いやすく、しかもグリーン上でビタッと止まる。さらに、その性能が安定して長く続くというのだから鬼に金棒だ。

バウンスの選択肢もシンプルで、自分に合った一本を見つけやすい。HONMAの本気度が伝わってくる、完成度の高いウェッジと言えるだろう。

◼️HONMA WEDGE ノーメッキ 公式ページ