■トータル飛距離は役に立たない!

トラックマンレンジや、トップトレーサーを備える練習場が増えてきました。アプリを活用すればさまざまな使い方が出来ますが、それ以前に見るべき基本的なデータを紹介します。

まずは飛距離。飛距離はキャリーとトータル飛距離を見ることができますが、見るべきはキャリーです。トータル飛距離は見なくてもいいくらいです。

トータル飛距離は計測したキャリーにラン(計算値)を足したものになっています。これが曲者で、スピンが不足してドロップしている打球でも、40ヤードも50ヤードもランが出て、キャリー190ヤードなのにトータル飛距離は240ヤードと表示されることもしばしばです。

これは、ゴルフショップの店頭で計測データを見ながら試打する時も同様で、トータル飛距離が出るドライバーを選んだのに、実はキャリーが出ないので、上りのホールや、ランディングエリアが軟らかいなど、実際のコースでは、全然飛ばないと言ったことが起こります。

ドライバーヘッドスピード40m/s相当で、高橋プロが3Wと5Wを打ち比べたデータ。トータル飛距離は12.3ヤード差があるのに、キャリーは3.4ヤードしか差がない。ドライバーに限らず、すべての番手で同様の現象が起きる。

ドライバーに限らず、FWやUTの番手選びでもキャリーの差で判断しないと、コースでは飛距離差が出なかったということが起こります。

アイアンもキャリーの数字を見て練習してください。例えばピンまで150ヤードでグリーン手前にはバンカーがあり、バンカーを超えるのに135ヤードと言った状況。普段トータル飛距離ばかり見て練習していると「150ヤードは7番アイアンで届くから」ということで7番で打ったものの、実は7番アイアンのキャリーは130ヤードでバンカー直撃と言ったことが起こります。

各番手のキャリーを把握していることが、適切なコースマネジメントにもスコアにもつながりますので、計測機の飛距離データは必ず「キャリー」を見てください。「トータル飛距離」は、ほとんどスコアの役には立たないので、見なくてよいくらいです。

■弾道の頂点は全番手同じ高さでOK

計測データで見るべき、もうひとつの数字は「最高到達点」です。ドライバーからウェッジの各番手で、適正なインパクトを行った時の弾道を計算すると、最高到達点はドライバーが最も高くなるそうですが、普段の練習では、全番手同じ高さでOKです。

そもそも、ウェッジが一番高いように思えますが、ウェッジの弾道は頂点が自分から見て近くにあり、ドライバーの弾道の頂点は遠くにあるために、高さに違いがあるように思えるということです。

ドライバーからウェッジの最高到達点は大体30ヤードくらいが目安です。28ヤードくらいでも許容範囲内ですが、それより低いとランが多い弾道となってしまい、ロングショットではランディングエリアの状況などで安定した飛距離が得られにくく、グリーンを狙うショットでは、グリーンに止まりにくくなってしまいます。

また、最高到達点30ヤードと言う数字は、効率よくキャリーで飛ばせる高さなので、クラブ選びの時にも役立ちます。ドライバーでもFWでも、UTでも、アイアンでも、普通に振ってこの高さが出るものを選べば、ラクに飛ばすことができます。

キャリーと最高到達点の2項目を重視すれば、スコアアップにも、クラブ選びにも役立つ。

数字以外にもアプリの機能で、各番手のショットのバラつきや傾向、得意不得意の分析などにも活用できますが、まずは、基本動作としてキャリーと最高到達点の2項目を見ることをオススメします。

解説/高橋良明(たかはし・よしあき)

1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。ツアーにチャレンジする傍ら、多くのゴルフメディアでクラブの試打を行って来たベテランテスター。DSPEゴルフスタジオ、ヘッドコーチ。