平均的に180ヤード飛ばすには4Uでもハードルが高い!?
本題に入る前に、4番ユーティリティ(以下4U)と5番ユーティリティ(以下5U)、それぞれの特徴を確認しておきましょう。一般的なロフト角は4Uが21~24度で22度あたりがコアモデル、5Uでは23~25度で24度が多いと思います。
長さはともに39~40インチで4Uがわずかに長いですが、モデルによっては同じ長さもあります。どちらも20度以上のロフトがあり、長すぎることもないので、基本的に扱いづらいクラブではありません。ここでは4Uがロフト22度、5Uが同24度で、双方ともカーボンシャフトを装着したモデルで比較をします。
言うまでもなく、ともにちゃんとミートできた場合には4Uの方が飛びます。5Uよりシャフトが長ければ10ヤード、同じ長さなら5ヤードほど飛びますから、飛距離が欲しいなら4Uを選ぶべきです。
ただ、このあたりのUTを入れたいアマチュアの方の場合、ミート率があまり高くないはずです。アイアンに代わってUTを入れるのはそのあかし。となると4Uよりロフトがあって球が上がりやすい5Uを選び、ナイスショットの確率を上げるのも一つの方法となります。
ですが、そもそも論としてドライバーのヘッドスピードが40m/sでは、5Uで180ヤード飛ばすのは困難です。180ヤード打つのが絶対条件ならば、7番や5番といったウッドを使った方がはるかに楽に飛ばせます。さらに言えば、4Uでもいい当たりをするか、ティアップでもしないことには、平均的に180ヤード飛ばすのは難しいかもしれません。その理由はアマチュア方の場合、番手間に「谷が横たわる」ことがあるからです。
私はこれを“ユーティリティの谷”と呼んでいますが、ロフトによって打てる番手と打てない番手がくっきり線引きされる。つまり、あるロフトを境に、それ以下のロフトのユーティリティが打てなくなるのです。
しかも、傾向的にヘッドスピード40m/sの人は、22度と24度の間に谷ができる人が多い。今回のテーマである4Uと5Uの間に谷ができて、5Uは打てても4Uは打てない、という事態に陥りやすいのです。仮に4Uで180ヤード飛ぶことがあっても、次から一切当たらなくなることもよくあります。
このような谷がなぜできるのか私なりに考えてみましたが、行き着いたのはやはりパワー不足。コップの水が溢れてしまうように、パワーとミート率の二つが、ある一定の番手で飽和状態になって当たらなくなる。例えば6番アイアンで160ヤード飛ぶのに5番になると160ヤードも飛ばない人がよくいますが、原因のほとんどは当たっても球が上がらないから。パワー不足でバックスピンが入らないのです。4Uと5Uでも同じ現象が起こるので、セットに4Uを入れるのなら、常にそのリスクを考慮してヘッジしておく必要があります。
対策としては4Uのシャフトを短くしてミート率を上げること。この場合、ロフト分の飛距離差(約5ヤード)しか出なくなるので、5Uと併用した場合には10ヤード刻みのピッチが作れなくなります。重量フローも大切です。シャフトの重量は使用しているアイアンのシャフト重量よりも20~40g程度軽いものにするのがベスト。さらにキックポイントは、アイアンよりも手元側にならないようにしましょう。
ということで、ヘッドスピード40m/sの人が180ヤード打とうとしたら5Uの選択肢はありません。4Uにしてもちょっとハードルが高い。スイングを磨くなり、パワーアップするなりしてヘッドスピードを上げないと、平均的に180ヤード飛ばすのは容易ではありません。そのままのヘッドスピードでは一番手上のUTを使っても難しくなるだけなので、7番や5番といったフェアウェイウッドを使う方が賢明です。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。











